脊割羽織せわりばおり)” の例文
盤台面ばんだいづらの汚い歯の大きな男で、朴歯ほうばの下駄を穿き、脊割羽織せわりばおりを着て、襞襀ひだの崩れた馬乗袴うまのりばかまをはき、無反むぞりの大刀を差して遣って参り
はかますそ端折はしょって脊割羽織せわりばおりちゃくし、短かいのを差して手頃の棒を持って無提灯むぢょうちんで、だん/\御花壇の方から廻りまして、畠岸はたけぎしの方へついて参りますと
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
脊割羽織せわりばおり無反むぞりの大小を差し、水口みなくち或は八丈の深い饅頭笠まんじゅうがさかぶって顔を隠したる四五人の侍がまいりました。
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
其の時店先へ立止りました武士さむらいは、ドッシリした羅紗らしゃ脊割羽織せわりばおりちゃくし、仙台平せんだいひらはかま黒手くろて黄八丈きはちじょう小袖こそで、四分一ごしらえの大小、寒いから黒縮緬の頭巾をかぶ
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
蟠「そんならせ、首尾けば、先達せんだって貴公が欲しいと云った脊割羽織せわりばおりと金を廿両やる積りだ」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
元来圖書は山三郎をおどす気だから、栗毛の馬に鞍を置き、脊割羽織せわりばおり紺緞子こんどんす天鵞絨びろうど深縁ふかべりを取った野袴のばかまに、旧金森の殿様から拝領の備前盛景びぜんもりかげ国俊くにとしの短刀を指添さしぞえにしてとっ/\と駈けて来る。