義龍よしたつ)” の例文
新字:義竜
美濃みのの奇傑斎藤義龍よしたつ外妾がいしょうの子五郎左衛門、世を忍ぶ名を富田勢源とだせいげんと云ったすねびとが、宇宙の大理から感応自得して工夫を積んだ秘術で
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
したがって最初に生れた長男の義龍よしたつは、実は土岐の血統だった。
梟雄 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
北に朝倉義景よしかげ、斎藤義龍よしたつ、西に佐々木、浅井。南に三河の松平と——。山ひとえ、川一すじの隣はすべて敵ばかりだ
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「知れたことを訊く奴だ。斎藤道三どうさん様と、その子の義龍よしたつとは、もう何年も前から、睨み合っている仲じゃねえか」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「稲葉山の斎藤義龍よしたつどの、にわかに病んで死んだという密報がはいったのだ。そこで嘘かまことか、小当りに一当ひとあせてみよというので、にわかな出陣なのだ」
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
第一、それを聞いてから、小六への尊敬を失ってしまったし、斎藤道三に利益する気にもなれないし、なおのこと、稲葉山城いなばやまじょう義龍よしたつにも味方する情熱など少しもない。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
稲葉山の斎藤義龍よしたつと、鷺山城の斎藤道三秀龍とは、表面は父子おやこですが、実は義龍は、道三が殺した旧主の子だという事ですから、また内乱を起しているにちがいありません
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
斎藤義龍よしたつ岐阜ぎふを攻めるに当って、金華山の峰つづきを、その裏山からじて奇襲したとき、山中で道案内をした一樵夫しょうふ——まだ十六、七歳の、山家やまが育ちの若者こそ、今日、寄手の一方に
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
稲葉山の城下にひそんで、成行きを見ておりましたが、御承知のように、道三山城は相果て、義龍よしたつが美濃一円を治めて、一先ひとまず落着いた様子に、京へ上り、越前へ出、北国路を一巡して、先頃
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山城守道三どうさんは、養子の義龍よしたつに殺され、その義龍も去年病死したりして、美濃は内紛ないふんに次ぐ内紛のみだれにあり、事実、小六への影響としても、道三の在世中は仕送っていた年々の禄米ろくまいや何かの手当も
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
竹中半兵衛や於通の父小野政秀などと同列のいわゆる美濃衆といわれた稲葉山の斎藤義龍よしたつの家中であり、覇府はふ斎藤が、信長に亡ぼされた永禄えいろく六年を転機として、竹中一族も、於通の父も、海北友松も
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「親と名のついた山城守様を、子の義龍よしたつが討って殺すとは」
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)