“罷(マカ)” の例文
石ノ上布留(フル)の大人(ミコト)は、嫋女(タワヤメ)の眩惑(マドヒ)によりて、馬じもの縄とりつけ、畜(シヽ)じもの弓矢囲(カク)みて、大君の御令畏(ミコトカシコ)み、天離(アマサカ)る鄙辺(ヒナベ)に罷(マカ)る。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「——右府様御諚(ゴジョウ)ニハ、中国ヘノ陣用意出来候エバ、家中ノ士馬、旌旗(セイキ)ノ有様、御覧成サレ度キ御旨(オムネ)ニ候間、早々、人数召連レラレ罷(マカ)リ上(ノボ)リ候エ。……と、かようにある」
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「まく」と言ふ語(ことば)は、灰を撒く事に聯想が傾くが、恐らく葬送して罷(マカ)らせる意であつたものが(任(マ)くの一分化)骨を散葬した事実と結びついて、撒くの義をも含む事になつたのであらう。
餓鬼阿弥蘇生譚 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
播州ヨリ罷(マカ)リ越サレ、宇喜多御赦免(ゴシヤメン)ノ筋合(スヂアヒ)申シ合セ候間、御朱印ナサレ候様ニト言上ノ処、以テノ他(ホカ)御不満ニテ、御諚(ゴヂヤウ)ヲモ伺ハズ示シ合セノ段、曲事(キヨクジ)ノ旨仰セ出サレ、即チ播州ヘ追ツ還(カヘ)サレ候也
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
貴剣サダメシ御鍛養(ゴタンヨウ)ト被存候(ゾンゼラレソウロウ)、貧生マタ些(イササ)カ鍛腕(タンワン)ヲ撫(ブ)シテ罷(マカ)リアリ候
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)