絵姿えすがた)” の例文
旧字:繪姿
もしも王子が、その絵姿えすがたをひと目でも見れば、たちまちその王女へのはげしいあいを心に感じて、気をうしなって、たおれてしまうだろう。
苦界くがい十年親のために身を売りたる遊女が絵姿えすがたはわれを泣かしむ。竹格子たけごうしの窓によりて唯だ茫然ぼうぜんと流るる水を眺むる芸者の姿はわれを喜ばしむ。
浮世絵の鑑賞 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ダリアのはなや、カンナのはなや、百合ゆりはななどが、カンテラのにゆらゆらとしたようにらされているのが、ちょうど艶麗えんれいおんなが、幾人いくにんっている絵姿えすがたるようながしました。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
苦界くがい十年親のために身を売りたる遊女が絵姿えすがたはわれを泣かしむ。竹格子たけごうしの窓によりて唯だ茫然ぼうぜんと流るる水をながむる芸者の姿はわれを喜ばしむ。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
しかも、きん宝石ほうせきにひかりかがやく、にも美しいおとめの絵姿えすがたを見たとたんに、王さまは気をうしなって、ばったりとそのにたおれてしまったのです。
あなたの絵姿えすがたをはじめて見ましたとき、わたしは気をうしなってたおれたほどなのです。