紫白しはく)” の例文
金砂子きんすなご覆輪ふくりんを取った螺鈿鞍らでんぐらに、燃ゆるような緋房ひぶさをかけ、銀色のくつわ紫白しはくの手綱。——甚内の眼は射られた。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もろもろの陰は深い瑠璃色るりいろに、もろもろの明るみはうっとりした琥珀色こはくいろの二つに統制されて来ると、道路側のかわら屋根の一角がたちまち灼熱しゃくねつして、紫白しはく光芒こうぼう撥開はっかい
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
紫白しはく手綱たづなを、左手ゆんでに引きしぼり、右手めてに使いなれた無反むぞりの一けんをひっさげた龍太郎は、声もたからかに
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
バサッとへいをきって、直垂ひたたれそでをたくしあげ、四方へつるをならすしきをおこなってから紫白しはくふたいろこまかい紙片しへんをつかんで、だんの上から試合しあい広庭ひろにわゆきのようにまきちらす。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)