粉挽こなひ)” の例文
ふゆ夜長よながに、粉挽こなひうたの一つもうたつてやつて御覽ごらんなさい。うたきな石臼いしうす夢中むちうになつて、いくらいても草臥くたぶれるといふことをりません。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
赤蜻蛉あかとんぼう田圃たんぼに乱るれば横堀にうづらなく頃も近づきぬ、朝夕あさゆふの秋風身にしみ渡りて上清じやうせいが店の蚊遣香かやりこう懐炉灰くわいろばいに座をゆづり、石橋の田村やが粉挽こなひうすの音さびしく
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
和尚は法衣ころもの袖を高くからげて、米搗こめつきから、粉挽こなひきから、俵の出し入れから、水門の上げ下ろしから、穀物の干場の仕事まで、与八を助けて、せっせと稼いで
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
赤蜻蛉あかとんぼう田圃たんぼみだるれば横堀よこぼりうづらなくころちかづきぬ、朝夕あさゆふ秋風あきかぜにしみわたりて上清じやうせいみせ蚊遣香かやりかう懷爐灰くわいろばいをゆづり、石橋いしばし田村たむらやが粉挽こなひうすおとさびしく
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)