“節(おり)” の例文
このごろ読んだお経の中(うち)につくづくなるほどと感心したことのある、聞いてくれこういう話しじゃ、むかしある国の長者が二人の子を引きつれてうららかな天気の節(おり)に
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
髪を容(い)れざる働きに俊雄君閣下初めて天に昇るを得て小春がその歳暮(くれ)裾曳(すそひ)く弘(ひろ)め、用度をここに仰ぎたてまつれば上げ下げならぬ大吉が二挺三味線(にちょうざみせん)つれてその節(おり)優遇の意を昭(あき)らかにせられたり
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
一 古革銅(ふるかわどう)、倉田猪之助所持。先祖大坂陣ノ節(おり)、着用ノ品。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
取り分け職人仲間の中でも世才に疎(うと)く心好き吾夫(うちのひと)、腕は源太親方さえ去年いろいろ世話して下されし節(おり)に、立派なものじゃと賞(ほ)められしほど確実(たしか)なれど、寛濶(おうよう)の気質(きだて)ゆえに仕事も取り脱(はぐ)りがちで
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)