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端然
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たんねん
ふりがな文庫
“
端然
(
たんねん
)” の例文
朽木形の
几帳
(
きちょう
)
の前には十二一重の御めし、何やら知らぬびらしゃらした御なりで
端然
(
たんねん
)
としていたまうから、野郎共皆ウヘーとなって恐入り奉る。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
居住
(
いずまい
)
は心を正す。
端然
(
たんねん
)
と恋に
焦
(
こが
)
れたもう
雛
(
ひいな
)
は、虫が喰うて鼻が欠けても上品である。謎の女はしとやかに坐る。六畳敷の人生観もまたしとやかでなくてはならぬ。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ま
白髯
(
しらひげ
)
長かる父の目は
盲
(
し
)
ひて
端然
(
たんねん
)
と
坐
(
ま
)
すに月押し照りき
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
寂照は「あな、とうと」と云いて
端然
(
たんねん
)
と
食
(
し
)
を
摂
(
と
)
り、自他平等
利益
(
りやく
)
の
讃偈
(
さんげ
)
を唱えて、しずかに其処を去った。戒波羅密や精進波羅密、寂照は
愈々
(
いよいよ
)
道に励むのみであった。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
退屈の刻を、
数十
(
すじゅう
)
の線に
劃
(
かく
)
して、行儀よく三つ鱗の
外部
(
そとがわ
)
を塗り潰す子と、尋常に手を膝の上に重ねて、一劃ごとに黒くなる
円
(
まる
)
の中を、
端然
(
たんねん
)
と打ち守る母とは、
咸雍
(
かんよう
)
の母子である。
和怡
(
わい
)
の母子である。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
いざや
終夜
(
よもすがら
)
供養したてまつらむと、
御墓
(
みしるし
)
より少し引きさがりたるところの
平
(
ひら
)
めなる石の上に
端然
(
たんねん
)
と坐をしめて、いと静かにぞ誦しいだす。
妙法蓮華経提婆達多品
(
めうほふれんげきやうだいばだつたぼん
)
第十二。
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
然し
其様
(
そん
)
なことを見ながらに終ったのではない、最期の時は人を去らせて、室内
廓然
(
かくねん
)
、縄床に居て口に
法花経
(
ほけきょう
)
を
誦
(
じゅ
)
し、手に金剛の印を結んで、
端然
(
たんねん
)
として入滅したということである。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
“端然”の意味
《名詞》
身なりや姿勢などがきちんと整っていること。
(出典:Wiktionary)
端
常用漢字
中学
部首:⽴
14画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“端”で始まる語句
端
端折
端書
端緒
端唄
端近
端々
端居
端倪
端艇