“たんねん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
丹念72.2%
端然11.1%
湛念5.6%
湛然5.6%
堪念2.8%
堪然2.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
俊助しゅんすけはこう云う図書館の窓際の席に腰を下して、さっきから細かい活字の上に丹念たんねんな眼をさらしていた。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
離縁状と交換に磯五の手に証文の束が渡されると、磯五は、にやにやしながら、それを片ッ端から丹念たんねんに破きはじめた。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
朽木形の几帳きちょうの前には十二一重の御めし、何やら知らぬびらしゃらした御なりで端然たんねんとしていたまうから
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
寂照は「あな、とうと」と云いて端然たんねんり、自他平等利益りやく讃偈さんげを唱えて、しずかに其処を去った。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
いつ頃からしからばこのダンゴという語が始まったかというと、それだけは湛念たんねんに記録を見るよりほかはないが、そんな手数をかけるがものはあるまい。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
現実に残っているものならば、至って幽かな切れ切れの記憶と言い伝え、むしろ忘れそこないと謂ってもよい隅々の無意識伝承を、少しも粗末にせず湛念たんねんに拾い合せて、今まで心づかずにいたことを問題にして行くだけの執心しゅうしんが必要であり
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
焼くればすなわち灰、埋ずむればすなわち土、なにものか残りてこれあるとは、心性なお水のごとく、ここを去りかしこへく、湛然たんねん常住するを知らず。すべて人は死して畜となり、畜は死して人となる。まさに天上に生まれ、地下に堕するは、三国経史にあり。滅してなしというは、なんぞ。
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
古エジプト人は箇人は魂、副魂、名、影、体の五つから成り、神も自分の名を呼んで初めて現われ得、鬼神各その名を秘し、人これを知らば神をしてその所願を成就せしめ得と信じ、章安と湛然たんねんの『大般涅槃経疏だいはつねはんぎょうそ』二には、呪というはその実鬼神の名に過ぎず、その名を唱えらるると鬼神が害をなし得ぬとある。
たとい捨てられるまでも一度は倉地の心をその女から根こそぎ奪い取らなければ堪念たんねんができないようなひたむきに狂暴な欲念が胸の中でははち切れそうに煮えくり返っていた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
この年齢としの違った二人ふたりの妹に、どっちにも堪念たんねんの行くように今の自分の立場を話して聞かせて、悪い結果をその幼い心に残さないようにしむけるのはさすがに容易な事ではなかった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
たとい唐の毗陵びりょう堪然たんねん輔行弘決ぶぎょうぐけつを未だ寂心が手にし得無かったにせよ、寂心も既に半生を文字の中に暮して、経論の香気も身に浸々しみじみと味わっているのであるから、止観の文の読取れぬわけは無い。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)