堪念たんねん)” の例文
たとい捨てられるまでも一度は倉地の心をその女から根こそぎ奪い取らなければ堪念たんねんができないようなひたむきに狂暴な欲念が胸の中でははち切れそうに煮えくり返っていた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
この年齢としの違った二人ふたりの妹に、どっちにも堪念たんねんの行くように今の自分の立場を話して聞かせて、悪い結果をその幼い心に残さないようにしむけるのはさすがに容易な事ではなかった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)