“たんぜん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
丹前46.9%
端然30.6%
湛然10.2%
赧然10.2%
痰喘2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
家に在る時は、もっぱら丹前たんぜん下の浴衣である。銘仙の絣の単衣は、家内の亡父の遺品である。着て歩くとすそがさらさらして、いい気持だ。
服装に就いて (新字新仮名) / 太宰治(著)
こう言って彼は風呂かまの前に端然たんぜんとして控えていたが、伝二郎にも、それから丁稚にさえ自身てずから湯を汲んで薄茶を奨めてくれた。
すべて意識の統一は変化の上に超越して湛然たんぜん不動でなければならぬ、而も変化はこれより起ってくるのである、即ち動いて動かざるものである。
善の研究 (新字新仮名) / 西田幾多郎(著)
同時にいまさらのように、そのとき不注意にわきみをするとか隣のものに話しかけるとかしたかも知れなかった自分をふり返ってわたしは赧然たんぜんとした。
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
熱海へ來て一時よくなつたが、湯に入り過ぎて、こんどは、「氣、逆上シ、胸フサガリ、痰喘たんぜん、臥スモ能ハズ」といふ苦しみ方であり「喘聲ぜんせい、四隣ニ聞ユ」とも誌してある。
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)