立懸たちかか)” の例文
どっと笑いて、左右より立懸たちかかり、小稲と重子と手と手を組みつつ、下よりすくいて、足をからみて、われをば宙にいて乗せつ。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ええ憎らしいその咽喉のどへ喰附いてやりたいねえ。「へ、へ、唇へ喰附いて、接吻キッスならば希望のぞみだが、咽喉へは真平御免こうむる。どれ手を下ろして料理りょうろうか。と立懸たちかかられて、 ...
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「余り強情を張りなさりゃ仕方がない、姉さん、お前さんの身体からだに手を懸けますよ。」と断って立懸たちかかる、いずれも門札かどふだを出した、妻子もあろうという連中であるから
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それはあんまり御無体な。「ええ! 面倒だ。と立懸たちかかれば、「まあ、待ってくれ。とたもとを取るを、 ...
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
軍夫の一人つかつかと立懸たちかかりぬ。百人長は応揚おうよう左手ゆんでを広げてさえぎりつつ
海城発電 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
顔の色はあおざめて、乱髮みだれがみ振りかかれるなかに輝きたるまなこの光のすさまじさ、みまもり得べきにあらず。夥兵くみこ立懸たちかかり、押取巻おっとりまく、上手かみて床几しょうぎを据えて侍控えいて、何やらむいいののしりしが、たきぎをば投入れぬ。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
力士真先まっさきに、一同ばらりと立懸たちかかる。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小稲また立懸たちかか
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)