神慮しんりょ)” の例文
神慮しんりょ鯉魚りぎょ等閑なおざりにはいたしますまい。略儀ながら不束ふつつか田舎いなか料理の庖丁をお目に掛けまする。」と、ひたりと直つて真魚箸まなばしを構へた。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
神慮しんりょをおそれぬばちあたり、土足どそく、はだかの皎刀こうとうを引っさげたまま、酒気しゅきにまかせてバラバラッと八神殿しんでん階段かいだんをのぼりかけた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
単なるドグマに捕えられず、あくまで合理的に真理を求めんとする心掛こころがけ——それでなければ神慮しんりょにはかなわない。われ等は心から、そうした態度を歓迎する。
さてひろめまするところは神慮しんりょ神事かみごとなり、国は坂東ばんどうの総社常陸ひたちの国、鹿島大神宮の事触れでござる。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「ただいまのこと、一同評議ひょうぎ結果けっか、これはやはり御岳みたけ神慮しんりょにおまかせいたすのがとうぜんであろうという意見いけんに一けつしたが、双方そうほうごいぞんはないであろうか」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)