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砒石
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ひせき
ふりがな文庫
“
砒石
(
ひせき
)” の例文
「お忙しいところをお氣の毒樣で、他ぢやございませんが、ね、先生。石川屋の内儀は、ありや
砒石
(
ひせき
)
の中毒に間違ひありませんね」
銭形平次捕物控:276 釣針の鯉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何んのあいつが眠剤なものか! 毒も大毒
砒石
(
ひせき
)
だあね。……あいつを飲むと中納言様、即座に血へどをお吐きになり、
怖
(
こわ
)
やの怖やのご落命。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
譬えば
緑青
(
ろくしょう
)
中毒や
砒石
(
ひせき
)
中毒は羽毛かあるいは筆の先で
喉
(
のど
)
をくすぐって胃中の物を吐出させておいてそれから生玉子を飲ませるのが応急の手当だ。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
青酸は毒のもっとも
劇
(
はげ
)
しきものにして、舌に
触
(
ふる
)
れば、即時に
斃
(
たお
)
る。その間に時なし。モルヒネ、
砒石
(
ひせき
)
は少しく
寛
(
かん
)
にして、死にいたるまで少しく時間あり。
徳育如何
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
砒石
(
ひせき
)
か鳳凰角を盛られたものだということがわかったので南番所係で大車輪に探索していたが、今日にいたるまで原因も下手人もようとして当りがつかず
顎十郎捕物帳:02 稲荷の使
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
▼ もっと見る
じっさいあぶない。レオナルド・ダ・ヴィンチという人は桃の幹に
砒石
(
ひせき
)
を注射してね、その実へも毒が回るものだろうか、どうだろうかという試験をしたことがある。ところがその桃を
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そもじは、
砒石
(
ひせき
)
の蒸気を防ぐために、硫気を用いたのであろうけれど、それが市松のくぼみに
溜
(
た
)
まった水に溶け、
黝
(
くろず
)
んだことゆえ、まっすぐなものも、かえって反りかえって見えたのじゃ。
紅毛傾城
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
砒石
(
ひせき
)
の用法を
謬
(
あやま
)
った患者が、その毒の恐ろしさを知りぬきながら、その力を借りなければ生きて行けないように、葉子は生の喜びの源を、まかり違えば、生そのものを虫ばむべき男というものに
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「色も匂ひも味もないところを見ると、
砒石
(
ひせき
)
だらうと言ふことで、喰べ殘しの小さい
片
(
かけ
)
らを、本道の石齋が持つて行きましたが」
銭形平次捕物控:223 三つの菓子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
道人一膝進めたが、さらに
四辺
(
あたり
)
を憚かるように、「幹之介殿、お尋ねしたい、
砒石
(
ひせき
)
どこから手に入れられたな?」
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
紅き色には
砒石
(
ひせき
)
の混じたるあり。
坊間
(
ぼうかん
)
に販売する染色料の唐紅は多量の砒石を含有するを以て最も危険なり。安菓子にこれを用いたるものあり。また小児の玩具にこれを塗りたるもあり。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
実際
危険
(
あぶな
)
い。レオナルド、ダ、ヸンチと云ふ人は桃の
幹
(
みき
)
に
砒石
(
ひせき
)
を注射してね、
其実
(
そのみ
)
へも毒が
回
(
まは
)
るものだらうか、どうだらうかと云ふ試験をした事がある。所が其桃を
食
(
く
)
つて死んだ人がある。
危険
(
あぶな
)
い。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
蝋燭
(
ろうそく
)
の
芯
(
しん
)
の中に
砒石
(
ひせき
)
を混ぜておいたのです。
紅毛傾城
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「佐太郎は
砒石
(
ひせき
)
の中毒だ。
石見
(
いはみ
)
銀山鼠捕りかなんか、酒へでも入つてゐたのだらう。これは御檢屍を受けなければなるまい」
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そやつを利用し企てたのさ! 尾張宗春の毒殺をな! お紋の手を借り書面と
砒石
(
ひせき
)
、まず八重梅へ
遣
(
つか
)
わしたのさ! 志水幹之介の手を通し、今夜のうちに宗春を
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「あれは矢張り
砒石
(
ひせき
)
であつたよ。砒石には味も匂ひも無いから、うんと盛られても氣がつくまい、——多分石見銀山かな」
銭形平次捕物控:275 五月人形
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平賀源内が苦心をして、蘭医の杉田玄白から、分けて貰った
砒石
(
ひせき
)
の一種、相当永い時間を経た時、人の命を安らかに取り、しかも痕跡を残さない毒素、それが入れてある薬湯だからであった。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
石見
(
いはみ
)
銀山鼠捕りは、
砒石
(
ひせき
)
が入つて居るが、砒石といふものは、恐ろしい毒で、色も味も臭ひもないものだといふことだ。
銭形平次捕物控:215 妾の貞操
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「佐太郎は
砒石
(
ひせき
)
の中毒だ。石見銀山鼠捕りなんか、酒へでも入っていたのだろう。これは御検屍を受けねばなるまい」
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
石見銀山といふのは
砒石
(
ひせき
)
だ。砒石の中毒はひどいのになると目舞ひがして引きつけるやうになり、
顫
(
ふる
)
へが來て一ぺんに死ぬ。この家のお内儀がそれだ。
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次の馴れた眼で見ると、間違ひもなく毒死で、前後の樣子を聽くと、
砒石
(
ひせき
)
の中毒といふことがわかります。
銭形平次捕物控:275 五月人形
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
『
石見銀山
(
いはみぎんざん
)
鼠捕り』の
砒石
(
ひせき
)
とわかりましたが、さて、誰が一體そんな事をしたのか、土地の御用聞が三四人顏を寄せましたが、まるつきり見當もつきません。
銭形平次捕物控:261 弱い浪人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
馬でも殺せるほどの毒藥——
石見
(
いはみ
)
銀山鼠捕りといふ、
砒石
(
ひせき
)
劑が入つて居り、お關が一と口で氣が付いて主人の椀を取り上げたのは、全く命拾ひといふ外はありません。
銭形平次捕物控:215 妾の貞操
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いや、そうまでいわれては仕方がない。実は、棟梁佐太郎が死んだのは、あれは
砒石
(
ひせき
)
中毒かも知れない——
石見
(
いわみ
)
銀山鼠捕りでも呑まされたのだろうと一度は思ったが」
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いや、さうまでいはれては仕方がない。實は、棟梁佐太郎が死んだのは、あれは
砒石
(
ひせき
)
中毒かも知れない——石見銀山鼠捕りでも呑まされたのだらうと一度は思つたが」
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これは恐らく
南蠻
(
なんばん
)
物であらう、——ところが、暫らく後で發病した、この家の主人永左衞門殿の呑んだのは、それと全く違つたありきたりの、
石見
(
いはみ
)
銀山鼠捕り、つまり
砒石
(
ひせき
)
ぢや。
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
御樣子は間違ひもなく
砒石
(
ひせき
)
の中毒だといふことで、いろ/\調べましたが、矢張りお酒の中に毒が入つて居たやうで、現に一緒に呑んだ伊賀屋さんも同じ容體でひどく苦しんだ相ですが
銭形平次捕物控:277 和蘭の銀貨
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
珠玉、細工物、ギャーマン、
羅紗
(
らしゃ
)
、それに南蛮物の
生薬
(
きぐすり
)
の数々。その中には万兵衛が呑んだと思われる
吐根
(
とこん
)
も、佐太郎を殺したと思われる
砒石
(
ひせき
)
も交っていたことはいうまでもありません。
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
珠玉、細工物、ギヤーマン、
羅紗
(
らしや
)
、それに南蠻物の
生藥
(
きぐすり
)
の數々。その中には萬兵衞が呑んだと思はれる
吐根
(
とこん
)
も、佐太郎を殺したと思はれる
砒石
(
ひせき
)
も交つてゐたことはいふまでもありません。
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「そこが新之助の
狡
(
ずる
)
いところさ。内儀の藥は四服殘つて居た。そのうち一服を
砒石
(
ひせき
)
と替へて置けば、翌る日の晝までにはきつと呑むから、内儀は新之助の留守中に死ぬことになるぢやないか」
銭形平次捕物控:276 釣針の鯉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
御様子は間違いもなく
砒石
(
ひせき
)
の中毒だということで、いろいろ調べましたが、やはりお酒の中に毒が入って居たようで、現にいっしょに呑んだ伊賀屋さんも同じ容体でひどく苦しんだそうですが
銭形平次捕物控:277 和蘭の銀貨
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
石見銀山
(
いわみぎんざん
)
鼠捕り、つまり
砒石
(
ひせき
)
じゃ、二人の症状はまるで違う
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
砒石
(
ひせき
)
だよ——
石見
(
いはみ
)
銀山鼠取りかも知れない」
銭形平次捕物控:201 凉み船
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“砒石”の意味
《名詞》
砒素を含む有毒な鉱石。
(出典:Wiktionary)
砒
漢検1級
部首:⽯
9画
石
常用漢字
小1
部首:⽯
5画
“砒石”で始まる語句
砒石劑