たは)” の例文
新字:
無常因果と、世にもたはけたる乞食坊主のえせ假聲こわいろ、武士がどの口もて言ひ得ることばぞ。弓矢とる身に何の無常、何の因果。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
ゆめからめたおもひで、あつぼつたかつたかほでた、ひざいて、判然はつきり向直むきなほつたときかれいままでの想像さうざうあまりなたはけさにまたひとりでわらつた。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
花の盛りは僅に三日にして、跡の青葉あをばいづれも色同じ、あでやかなる女子の色も十年はよも續かぬものぞ、老いての後に顧れば、色めづる若き時の心の我ながらわからぬほどたはけたるものなるぞ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)