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生暖
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なまあたた
ふりがな文庫
“
生暖
(
なまあたた
)” の例文
お
互
(
たがい
)
に何だか訳の分らない気持がしているところへ、今日は少し
生暖
(
なまあたた
)
かい海の夕風が東から吹いて来ました。が、吉は
忽
(
たちま
)
ち強がって
幻談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
種彦はまア
暫
(
しばら
)
く暫くと声を上げ、岸の上をば行きつ戻りつ、消え行く舟を呼び戻そうとしていると、
忽
(
たちま
)
ち
生暖
(
なまあたた
)
かい風がさっと吹き下りて
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
空
(
そら
)
の
色
(
いろ
)
が
銀色
(
ぎんいろ
)
に
光
(
ひか
)
って、
生暖
(
なまあたた
)
かな
日
(
ひ
)
のことでありました。
年
(
とし
)
をとった
女
(
おんな
)
が、
浜
(
はま
)
の
方
(
ほう
)
から、かごの
中
(
なか
)
に、たくさんのたらをいれて
売
(
う
)
りにまいりました。
女の魚売り
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ある
生暖
(
なまあたた
)
かい日の暮れです。僕はこの部屋のテエブルを中に漁夫のバッグと向かい合っていました。
河童
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
薮畳
(
やぶだたみ
)
を控えた広い平地にある紙漉場の
葭簀
(
よしず
)
に、温かい日がさして、
楮
(
かぞ
)
を浸すために
盈々
(
なみなみ
)
と
湛
(
たた
)
えられた水が
生暖
(
なまあたた
)
かくぬるんでいた。そこらには桜がもう咲きかけていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
「この
生暖
(
なまあたた
)
かな
陽気
(
ようき
)
じゃ、たらは
腐
(
くさ
)
ってしまうだろう。うんとまけてゆけば
買
(
か
)
ってもいい。」
女の魚売り
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
暖
常用漢字
小6
部首:⽇
13画
“生”で始まる語句
生
生命
生憎
生活
生涯
生々
生垣
生物
生温
生死