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ふりがな文庫
“
生家
(
うち
)” の例文
生家
(
うち
)
を
出奔
(
しゅっぽん
)
したんだ、どうしたんだ、こうしたんだとまるで十二三のたんだがむらむらと
塊
(
かた
)
まって、頭の底から一度に
湧
(
わ
)
いて来た。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
日ぐれまぐれを
狙
(
ねら
)
って舟町の
生家
(
うち
)
の背戸の方へ、まるでコソ泥のように、びくびくもので忍び寄ったわけさ。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
「このまま自分の
生家
(
うち
)
へも、姉の家へも寄りついて行きたくはない」お島は独りでそれを考えていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
柳里恭
(
りうりきやう
)
の「
郭子儀
(
くわくしぎ
)
」の對幅が、いつのころかわたくしの
生家
(
うち
)
にあつた。もとより柳里恭の眞筆ではない。ほんものならば、その頃でも萬といふ級の取引であつたらう。
「郭子儀」異変
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「父さん、済みませんが、この
鞄
(
かばん
)
を
解
(
ほど
)
いてみて下さいな。お俊ちゃん達に
進
(
あ
)
げる物がこの中に入っている
筈
(
はず
)
です——
生家
(
うち
)
の父親さんはこんなに堅く荷造りをしてくれて」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
『左様さ。』と松太郎は額の汗を手拭で拭いて、『お
美支
(
みき
)
様が恰度十四歳に成られた時にな、庄屋敷村のお
生家
(
うち
)
から
三昧田村
(
さんまいだむら
)
の中山家へ
御入輿
(
おこしいり
)
に成つた。有難いお話でな。 ...
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
家の者も東京なり神戸なり、出て行く以上は、その土地々々に一生落着くことにして、
生活
(
くらし
)
が
六
(
むづ
)
ヶ
敷
(
し
)
うなつて
生家
(
うち
)
へ轉がり込まんやうにきつぱり極りをつけとかにやならんと思ふ。
入江のほとり
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
あの青ずんで見えるのはおれの
生家
(
うち
)
ではないか? 窓に坐つてゐるのはお袋ではないか? お母さん、この哀れな伜を助けて下さい! 惱める頭にせめて涙でも一
滴
(
しづ
)
くそそいで下さい! これ
狂人日記
(旧字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
生家
(
うち
)
を
逃亡
(
かけお
)
ちて、坑夫にまで、なり
下
(
さが
)
る決心なんだから、大抵の事に
辟易
(
へきえき
)
しそうもないもんだがやっぱり
醜
(
きた
)
ないものの
傍
(
そば
)
へは寄りつきたくなかった。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
『左樣さ。』と松太郎は額の汗を手拭で拭いて、『お美支樣が丁度十四歳に成られた時にな、庄屋敷村のお
生家
(
うち
)
から、三眛田村の中山家へ
御入輿
(
おこしいれ
)
に成つた。有難いお話でな。 ...
赤痢
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
私が
生家
(
うち
)
へ着きますとネ、しばらく父親さんは二階から下りて来ませんでしたよ。そのうちに下りて来て、台所へ行って顔を洗って、それから挨拶しました。父親さんは私の顔を
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そうなるまでに、お島は幾度
生家
(
うち
)
の方へ資金の融通を頼みに行ったか知れなかった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
それは、とて大幅で、書院がけとでもいふのか、もとよりわたくしの
生家
(
うち
)
の、茶がかつた床の間には合ひやうもなかつた。幅二間からある本床でなければ、第一丈がたりないといつた立派さだつた。
「郭子儀」異変
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
しかし自分は前に云う通り相当の身分のある親を持って朝夕に事を欠かぬ身分であるから
生家
(
うち
)
にいては自滅しようがない。どうしても
逃亡
(
かけおち
)
が必要である。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
生家
(
うち
)
はその村でも五本の指に數へられる田地持で、父作松と母お安の間の一粒種、甘やかされて育つた故か、體も
脾弱
(
ひよわ
)
く、氣も
因循
(
ぐづ
)
で學校に入つても、勵むでもなく、
怠
(
なまけ
)
るでもなく
赤痢
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「ええ……どうでも貴方の御好きなように……私は
生家
(
うち
)
へは帰りませんから」
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
母親が
頑張
(
がんば
)
って金を出してくれない
生家
(
うち
)
から、鶴さんと別れたとき
搬
(
はこ
)
びこんで来たままになっている自分の
箪笥
(
たんす
)
や鏡台や着物などを、
漸
(
やっ
)
とのことで持出して来たとき、お島は小野田や自分の手で
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
生家
(
うち
)
はその村でも五本の指に数へられる田地持で、父作松と母お安の間の一粒種、甘やかされて育つた故か、体も
孱弱
(
ひよわ
)
く、気も
因循
(
ぐづ
)
で、学校に入つても、励むでもなく、
怠
(
なまけ
)
るでもなく
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
“生家”の意味
《名詞》
生 家(せいか)
その人の生まれた家。
(出典:Wiktionary)
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
家
常用漢字
小2
部首:⼧
10画
“生家”で始まる語句
生家方