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瓦版
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かわらばん
ふりがな文庫
“
瓦版
(
かわらばん
)” の例文
果して、その翌日、
枇杷島橋
(
びわじまばし
)
を渡って西の方へ向いて、何か
瓦版
(
かわらばん
)
ようの紙をひろげて、見入りながら歩いて行くがんりきの百蔵を見る。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
さあっ、大変じゃっ、見たか、聞いたか、たった今出た
瓦版
(
かわらばん
)
じゃ、瓦版じゃ。大和五条の
天誅組
(
てんちゅうぐみ
)
が、
下火
(
したび
)
と見えたら又しても乱が興った。
脚
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そなたが、江戸に下られた
噂
(
うわさ
)
は、
瓦版
(
かわらばん
)
でも読んでいた。いやもう、大変な評判で、
嬉
(
うれ
)
しく思う。さあこれへ進まれるがよい」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
石川県などの
在方
(
ざいかた
)
では、昔の
瓦版
(
かわらばん
)
とよく似た一枚刷の
読売
(
よみうり
)
ものを、歌いながらくるのは必ず女の群であり、是を人によって
女万歳
(
おんなまんざい
)
とも
謂
(
い
)
っていた。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
見ると、橋の袂の広場に
人簇
(
ひとだか
)
りがしている。怪しげな
瓦版
(
かわらばん
)
売りが真中に立って、何やら大声に
呶鳴
(
どな
)
っているのだ。——
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
▼ もっと見る
怨霊に殺されたなどという
噂
(
うわさ
)
が立ったら、その日のうちに
瓦版
(
かわらばん
)
が飛んで、来月は怪談芝居の筋書になるでしょう。
銭形平次捕物控:117 雪の夜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
昔の
瓦版
(
かわらばん
)
の読売が進化したようなもので、それでも小説と銘を打った、低級な小本には「千葉心中」と、あからさまな題名をつけて、低級な読者を
唆
(
そその
)
かした。
芳川鎌子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
とこのようにすぐともう
瓦版
(
かわらばん
)
に起しましてな、町から町へ呼び売りして歩いたげにござりまするぞ。
旗本退屈男:02 第二話 続旗本退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
江戸の辻々に、
瓦版
(
かわらばん
)
の読売りが飛んだ。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
岡場所
(
おかばしょ
)
の
情痴沙汰
(
じょうちざた
)
も、夜盗も、
強請
(
ゆすり
)
も、人殺しも、文政末期の世間には相変らず
瓦版
(
かわらばん
)
が賑わって、江戸の街はすこしも澄んで来たとは見えない。
鍋島甲斐守
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこで、天性の商売気に独特の宣伝癖が加わって、柏原の駅へ来てから、一枚の
瓦版
(
かわらばん
)
を起しました。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と言いながら、
袂
(
たもと
)
からさっき両国の橋の
袂
(
たもと
)
で買った
瓦版
(
かわらばん
)
を取りだして渡した。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
その日のうちに呼び売りの
瓦版
(
かわらばん
)
が飛んで、街々の髪結床や井戸端は、その
噂
(
うわさ
)
で持ちきった日の夕景、——銭形平次のところに相変らずガラッ八の八五郎が、この情報を持ち込んで来たのです。
銭形平次捕物控:130 仏敵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その日のうちに
瓦版
(
かわらばん
)
が出て辻々を呼び歩く騒ぎ、銭形の平次が寝ずの番で見張っていて、まんまと出し抜かれたというのですから、それは全く江戸っ子を夢中にさせるだけの値打はあります。
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そして毎度、
瓦版
(
かわらばん
)
の立ち読みでもするような人だかりをみたのであった。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“瓦版”の解説
瓦版(かわらばん)は、江戸時代の日本で普及していた、時事性・速報性の高いニュースを扱った印刷物をいう。天変地異、大火、心中などに代表される、庶民の関心事を盛んに報じた。街頭で読み上げながら売り歩いたことから、読売(讀賣)ともいう。木版摺りが一般的。
(出典:Wikipedia)
瓦
常用漢字
中学
部首:⽡
5画
版
常用漢字
小5
部首:⽚
8画
“瓦”で始まる語句
瓦斯
瓦
瓦解
瓦礫
瓦斯燈
瓦葺
瓦屋根
瓦町
瓦斯煖炉
瓦斯灯