獨身ひとり)” の例文
新字:独身
早く妻子に死別れて獨身ひとり生活ぐらしをして居た自分の伯父の一人が、窮迫の餘り人と共に何か法網に觸るる事を仕出來したとかで、狐森一番戸きつねもりいちばんこに轉宅した。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「忙しい時は、掃除も手傳へば、飯も炊くよ。よく見習つて置くが宜い。お前も何時までも獨身ひとりぢやあるめえ、あんまり女房に骨を折らせるばかりが、男の見得ぢやないよ」
何時いつまで獨身ひとりこゝろかぞへるとし心細こゝろぼそこれほどならばなぜむかしことばそむいていとひしかれとれませぬはゝさまなしのおひとつに御苦勞ごくらうたんとけましてうへうへにもまた幾年いくねんこゝろやすめぬ不料簡ふれうけん不孝ふかうのおわび向後きやうこうさつぱりよしさまのことおもつて何方いづかたへの縁組えんぐみなれおほせに違背ゐはい
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)