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物干棹
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ものほしざお
ふりがな文庫
“
物干棹
(
ものほしざお
)” の例文
足もとは暗いが、木の梢だけは、夜の空にかっきりと黒く張って、穂高の輪廓は、ボーッと、
物干棹
(
ものほしざお
)
でも突き出したように太く見える。
谷より峰へ峰より谷へ
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
……おしめも
褌
(
ふんどし
)
も一所に掛けた、路地の
物干棹
(
ものほしざお
)
を
引
(
ひっ
)
ぱずすと、
途端
(
みちばた
)
の与五郎の
裾
(
すそ
)
を
狙
(
ねら
)
って、青小僧、
蹈出
(
ふみだ
)
す足と
支
(
つ
)
く足の
真中
(
まんなか
)
へスッと差した。
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼女はグッと
睨
(
ね
)
めた。あたしが帰る時はもう、彼女は
物干棹
(
ものほしざお
)
で
庇
(
ひさし
)
の上の猫どもを追いはらっていた。
旧聞日本橋:06 古屋島七兵衛
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
厚紙もて
烏帽子
(
えぼし
)
を作りて
被
(
こうむ
)
り、
払
(
はたき
)
を腰に挿したるもの、
顱巻
(
はちまき
)
をしたるもの、十手を携えたるもの、
物干棹
(
ものほしざお
)
を
荷
(
にな
)
えるものなど、五三人左右に引着けて、
渠
(
かれ
)
は常に宮の
階
(
きざはし
)
の正面に身構えつ
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
北も南も
吹荒
(
ふきすさ
)
んで、戸障子を
煽
(
あお
)
つ、柱を
揺
(
ゆす
)
ぶる、屋根を鳴らす、
物干棹
(
ものほしざお
)
を
刎飛
(
はねと
)
ばす——
荒磯
(
あらいそ
)
や、奥山家、都会離れた国々では、もっとも熊を射た、鯨を突いた、
祟
(
たた
)
りの吹雪に戸を
鎖
(
さ
)
して
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
さてその国麿はと想う、
渠
(
かれ
)
はいま東京に軍人にならむとて学問するとか。
烏帽子
(
えぼし
)
被
(
かぶ
)
りて、
払
(
はたき
)
掉
(
ふ
)
りしかの愛らしき児は、
煎餅
(
せんべい
)
をば焼きつつありとぞ。
物干棹
(
ものほしざお
)
持てりしは、県庁に給仕勤むるよし。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
廂
(
ひさし
)
から突出した
物干棹
(
ものほしざお
)
に、薄汚れた
紅
(
もみ
)
の
切
(
きれ
)
が忘れてある。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
干
常用漢字
小6
部首:⼲
3画
棹
漢検1級
部首:⽊
12画
“物干”で始まる語句
物干
物干竿
物干台
物干場
物干挟