父鳥ちちどり)” の例文
母鳥ははどりは、三子供こどもるたびに、父鳥ちちどりにひとでもせてやりたくおもいました。それは、畢竟ひっきょう、むなしいねがいであるとりながら……。
平原の木と鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あちらをると、こんもりとした、たかいかしのが、野原のはらのまんなかっていました。かれらの父鳥ちちどりは、そののいただきにとまって、さえずったのです。
平原の木と鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
子供こどもたちは、おもおもいのことを、母鳥ははどりうったえるごとくかたりました。そして、ただしい父鳥ちちどりが、つみもなく、ころされるとは、どうしてもかんがえられなかったのです。
平原の木と鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「きっと、そうだろう、わすれていた山奥やまおくはやしや、父鳥ちちどりや、母鳥ははどりのことをおもしたのだよ。」と、にいさんが、いいました。にいさんも、いつしか、やまがらはかえってこないとおもったのでした。
山へ帰ったやまがら (新字新仮名) / 小川未明(著)