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煎餅蒲団
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せんべいぶとん
ふりがな文庫
“
煎餅蒲団
(
せんべいぶとん
)” の例文
近所に用事が残っているというので、清三は寺に帰るのをやめて、親子いっしょに
煎餅蒲団
(
せんべいぶとん
)
にくるまって宿直室に寝ることなどもあった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
もっとも渋を
刷
(
は
)
いた厚紙で
嵌込
(
はめこみ
)
の
蔽
(
おおい
)
があって、それには題して「
入船
(
いりふね
)
帳」。紙帳も蚊帳もありますか、
煎餅蒲団
(
せんべいぶとん
)
を二人で
引張
(
ひっぱ
)
りながら、むかし雲助の昼三話。
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
三尺の押入を開けると、
煎餅蒲団
(
せんべいぶとん
)
が二枚、その下敷になっているのが、柿色の大風呂敷ではありませんか。
銭形平次捕物控:136 鐘五郎の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼は
煎餅蒲団
(
せんべいぶとん
)
にくるまって、天井の節穴を眺めながら、恋しい人の上を思った。何とも形容の出来ない、はなやかな色彩と、快い
薫
(
かおり
)
と、柔かな音響が彼の心を占めた。
灰神楽
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
農場の男は僕の客だというのでできるだけ丁寧にこういって、囲炉裏のそばの
煎餅蒲団
(
せんべいぶとん
)
を裏返した。
生まれいずる悩み
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
▼ もっと見る
「何だねえ——人が、
折角
(
せっかく
)
寝ついたところを——もう冬になっているんだよ、火の気のねえところで、
煎餅蒲団
(
せんべいぶとん
)
——寒くって、一度覚めたら、なかなか寝られやしねえんだよ」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
納戸
(
なんど
)
の三畳に
煎餅蒲団
(
せんべいぶとん
)
を被って、勘弁勘次は馬のようにぐっすり寝込んでいた。
釘抜藤吉捕物覚書:10 宇治の茶箱
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
恍惚
(
こうこつ
)
として人事を忘れて、人は樹下に夢想し得るにかかわらず、甲の飢えや乙の
渇
(
かわ
)
きや、貧しき者の冬の裸体、子供の
脊髄
(
せきずい
)
の
淋巴性彎曲
(
りんぱせいわんきょく
)
、
煎餅蒲団
(
せんべいぶとん
)
、屋根裏、
地牢
(
ちろう
)
、寒さに震える少女のぼろ
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
親父
(
おやじ
)
は私にこう云って聞かせるたんびに、
煎餅蒲団
(
せんべいぶとん
)
の上で起き直った。
鉄鎚
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
僕は
煎餅蒲団
(
せんべいぶとん
)
の間から滑りだすと、大胆に行動を開始した。
鍵から抜け出した女
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
煎餅蒲団
(
せんべいぶとん
)
の上へ北枕に寝かし、二枚折
屏風
(
びょうぶ
)
を逆様に、手習机を据えて駄線香をフンダンに
燻
(
いぶ
)
しながら、松五郎はその前に神妙に膝小僧を揃え、ポロポロと涙をこぼしては
銭形平次捕物控:057 死の矢文
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
宜
(
よ
)
うございますとも。早速その晩から
煎餅蒲団
(
せんべいぶとん
)
一枚ずつ抱えて寝に
行
(
ゆ
)
きました。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
両国で日本一太郎と同じ小屋にいた
吉
(
よし
)
という若い者や、香具師の手から手としじゅう渡り歩いている連中二、三人、木戸番やら道具方やらが来ていて、それらは客席に
煎餅蒲団
(
せんべいぶとん
)
をならべて
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
浪人者は自分の家でも入るような
悠揚
(
ゆうよう
)
さで平次の向うへ、どかりと腰を据えました。煮締めたような畳、
煎餅蒲団
(
せんべいぶとん
)
、
行灯
(
あんどん
)
の灯が、トロトロと居眠りして、汚くはあるが、親しみ深い庶民的な趣です。
銭形平次捕物控:243 猿回し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
煎
常用漢字
中学
部首:⽕
13画
餅
常用漢字
中学
部首:⾷
15画
蒲
漢検準1級
部首:⾋
13画
団
常用漢字
小5
部首:⼞
6画
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煎餅蒲團