“せんべいぶとん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
煎餅蒲団63.6%
煎餅布団22.7%
煎餅布團4.5%
煎餅蒲團4.5%
煎餠蒲団4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もっとも渋をいた厚紙で嵌込はめこみおおいがあって、それには題して「入船いりふね帳」。紙帳も蚊帳もありますか、煎餅蒲団せんべいぶとんを二人で引張ひっぱりながら、むかし雲助の昼三話。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかし何も盗まれたもようは無く、外から人の這入った形跡も無い。法印さんの処から貰って帰ったお重詰めは、箸をつけないまま煎餅布団せんべいぶとんの枕元に置いてあった。
いなか、の、じけん (新字新仮名) / 夢野久作(著)
お稻とお由の布團にはさすがに泥は附いてゐませんが、作男の百兵衞の乾し堅めたやうな煎餅布團せんべいぶとんなどは、ザクザクするほどの泥が入つて居ります。
三尺の押入を開けると、煎餅蒲團せんべいぶとんが二枚、その下敷になつてゐるのが、柿色かきいろの大風呂敷ではありませんか。
あさっては正月というに天井のすすも払わず、鬚もそらず、煎餠蒲団せんべいぶとんは敷きっ放し、来るなら来い、などあわれな言葉を譫語うわごとごとく力無くつぶやき、またしても、えへへ、と笑うのである。
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)