煎餅布団せんべいぶとん)” の例文
そのうち磯が眠そうに大欠伸おおあくびをしたので、お源は垢染あかじみ煎餅布団せんべいぶとんを一枚敷いて一枚けて二人一緒に一個身体ひとつからだのようになって首を縮めて寝て了った。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
しかし何も盗まれたもようは無く、外から人の這入った形跡も無い。法印さんの処から貰って帰ったお重詰めは、箸をつけないまま煎餅布団せんべいぶとんの枕元に置いてあった。
いなか、の、じけん (新字新仮名) / 夢野久作(著)
正面の背景になっている、濃い褐色に光っている戸棚の板戸の前に、煎餅布団せんべいぶとんを敷いて、病人が寝かしてある。家族の男女が三四人、涅槃図ねはんずを見たように、それを取り巻いている。
カズイスチカ (新字新仮名) / 森鴎外(著)
垢染あかじみ煎餅布団せんべいぶとんでも夜は磯吉と二人で寝るから互の体温で寒気もしのげるが一人では板のようにしゃちっ張って身に着かないで起きているよりも一倍寒く感ずる。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
三枝が、例の伸屈のびかがみ敏捷びんしょうな男と、弾豆をつまんで食いながら話をする。暫くして僕は鼻をくような狭い部屋に案内せられる。ランプと烟草盆とが置いてある。煎餅布団せんべいぶとんいてある。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
煎餅布団せんべいぶとんを敷いて頭からもぐり込んだ。
黒白ストーリー (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)