潮水しほみづ)” の例文
自分じぶん濡鼠ぬれねずみやうになつてことも、すくなからず潮水しほみづんではらくるしくなつてことわすれて、むねおどろきよろこびに、をどりつゝ、じつながむる前方かなた海上かいじやう
曇つた埃つぽい硝子の中で、藍色の透き通つた潮水しほみづと、なよなよした海草とが動いてゐた。そしてどこの岩の隅隅にも、もはや生物の姿は見えなかつた。
宿命 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
こんな海嘯つなみなどは、到底とうてい人間にんげんちからふせめることは出來できませんが、しかし、もし海岸かいがんうておびのように森林しんりんがあれば、非常ひじよう速力そくりよくでおしせてくる潮水しほみづいきほひ
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)