漂流ひょうりゅう)” の例文
もう海上を長いあいだ漂流ひょうりゅうし、暴風雨ぼうふううと戦って根気こんきもつきはてた少年どもは、いま眼前に陸地を見ると、もういても立ってもいられない。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
ぼくは気がついてみると、海上を漂流ひょうりゅうしていたんです。そしてフランス汽船ルゾン号にたすけられたんです。そうです、クーパー事務長。
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
漳州船は暴風あらしの後の長いうねりに押され、押し戻され、あてどもなく漂流ひょうりゅうしていたが、そのうちに浸水の速度が早くなって、胴ノ間の天井まで水がつくようになった。
呂宋の壺 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
私はまず諸君にこの場所を絶海ぜっかい孤島ことうだと思ってもらいたい。偶然ぐうぜんにも諸君は時を同じゅうしてこの孤島に漂流ひょうりゅうして来た。私もむろん諸君と同様、漂流者の一人である。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
もとより言葉ことばは、たがいにわからなかったけれど、まねで、やっと三にんが、とおきたほうから、暴風ぼうふうのために、幾日いくにち漂流ひょうりゅうして、このしまいたことがわかったのでした。
南方物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
遭難船の破片か、あるいは油とか、積んでいた荷物などが漂流ひょうりゅうしていないかと気をつけたが、ふしぎにも、それすら眼に入らないのであった。
幽霊船の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
だから海上に漂流ひょうりゅうしているあいだは、なにごとも富士男の意見にしたがってきたが、いま陸地を見ると、そろそろ性来せいらいのわがままが頭をもたげてきたのである。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
午前二時ちかくだったであろうか、赤青の標識ひょうしきをつけたすこぶる快速の偵察機らしいのが一機、漂流ひょうりゅう気球に近づいた。
空中漂流一週間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
いまこの南太平洋を漂流ひょうりゅうしつつある少年たちをもっとくわしく読者に紹介しょうかいしたいと思う。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
わずか数秒間のすこぶる豪勢ごうせいな火の見世物として、附近の魚類をおどろかしたのを最後に、貨物船モンパパ号の形はうせ、空中から落ちくる船体の破片も、漂流ひょうりゅうする屍体したい
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
白い航跡こうせきが消えて、元のウルトラマリン色の青い海にかえるところあたりに、執念しゅうねんぶかくついてきた白いかもめが五六羽、しきりに円を描いては、漂流ひょうりゅうするごちそうめがけて
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
闇夜あんやの空を漂流ひょうりゅう中のゴンドラの中には、彼ただひとりがいるばかりだと思っていたのに、意外にも意外、突然マイクを持つ手首をぎゅっと掴まれたのだから、この愕きももっともであった。
空中漂流一週間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
漂流ひょうりゅうして、この島へ流れついたんだよ。やっぱりモンパパ号の遺物いぶつなんだろう」
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
漂流ひょうりゅうするボート
幽霊船の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
漂流ひょうりゅう
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
漂流ひょうりゅう
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)