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滿
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まん
五
段伸の三
脚の上に
立てゝ
黒布をかぶりながら
焦點を
合せる時の
私の
滿足と
嬉しさ、とまた
誇らしさとはいひやうもなかつた。
〔譯〕
滿を
引き
度に
中り、發して
空箭無し。人事宜しく
射の如く然るべし。
致しける其七日の
滿ずる日の
暮方山の上よりして
颯と
吹下す風に飄然と眼の前に
吹落す一枚の
牌あり手に取て見るに
立春大吉護摩祈祷守護可睡齋と記したれば三五郎は心に思ふやう彼の
可睡齋と云ば
東照宮より御
由緒ある寺にして當國の
諸侯も御歸依寺也因ては可睡齋へ參り
委曲事を