源八げんぱち)” の例文
呼び起してくれたのは三間みまばかり隔てて寝ていた若党源八げんぱちであった。そこまで聴こえる程の高声で純之進はうなされていたのであった。
丹那山の怪 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
奉「浅草鳥越片町幸兵衛手代萬助まんすけ、本所元町與兵衛よへえたな恒太郎、訴訟人長二郎並びに家主源八げんぱち、其の外名主代組合の者残らず出ましたか」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
するとその明くる日、残ったほうの源八げんぱちという老人が、ひとりの娘をめみえにれてきた。
一人ならじ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
源八げんぱちさんは、くわんづめ会社の、しよく工でした。手早くつて、よくはたらくので、毎日、三円から四円の、お金をもらひます。けれども、源八さんには、二つのわるいくせがあります。
源八栗 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
△「ナニ掛り合の訳は有りません、路次の締りは固いのだがねえ、でも源八げんぱちさん葛籠を取られたと云うのだがどうしましょう」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
見てるとも知らず源八げんぱちもち取上とりあげ二ツにわつなかあん繰出くりだし、あんあんもちもち両方りやうはう積上つみあげまして、突然とつぜん懐中ふところ突込つツこしばらくムグ/\やつてたが
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
へい、今日けふは休みましてござります、きまして差配さはいさん少々せう/\ねがひがあつて出ました。「アヽなんだイ。金「私共わたしども隣家となり源八げんぱち修業しゆげふに出ますばうさんナ。 ...
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
アヽおい源八げんぱちさん、源八げんぱちさん、アヽ死んだ、うも此金このかねがあるんで今迄いままで死切しにきれずにたんだナ
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)