永年えいねん)” の例文
「麹町三丁目家主共 其方共 店内に差置さしおき候醫師村井長庵儀は身分たしかならざる者に之あり候處ぞんぜずとは申ながら永年えいねん差置候段不屆に付しかり置」
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
永年えいねん彼と交際をしたどの月にも、どの日にも、余はいまだかつて彼の拙を笑い得るの機会をとらためしがない。また彼の拙にれ込んだ瞬間の場合さえもたなかった。
子規の画 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
両女の中の割合に心雄々おおしきはおっとの如き気風となり、やさしき方は妻らしく、かくて不倫ふりんの愛に楽しみふけりて、永年えいねんの束縛を忘れ、一朝変心する者あれば、男女間における嫉妬しっとの心を生じて
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
永年えいねんだ。これは、永年という愉快な男ですよ」と、いった。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
赤坂傳馬町二丁目長助店元麹町三丁目浪人藤崎道十郎後家願人みつ 其方儀願ひ出候目安めやす取調とりしらべる處事實じじつ相違さうゐ無之これなくかつ永年えいねんをつと無實むじつ罪科ざいくわあひしをなげかはしく心得貞節ていせつ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)