トップ
>
歯並
>
はなみ
ふりがな文庫
“
歯並
(
はなみ
)” の例文
大きく見開いた、瀬戸物の様なうつろな目が、空間を見つめ、だらしなく開いた唇の間から、美しい
歯並
(
はなみ
)
と舌の先が覗いていた。
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「
歯並
(
はなみ
)
も変えなければなりますまい。調った歯並でございますこと。当門二歯と申します。
参差歯
(
しんさば
)
にすることに致しましょう」
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
急にニッコリ白い
歯並
(
はなみ
)
を覗かせたのだから、女なら
傾国
(
けいこく
)
の一笑というやつ——壁辰、訳もなく釣り込まれて、こっちも、にっと笑ってしまった。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ハハハと笑って口をあいて見せた
歯並
(
はなみ
)
が、ばかに細かくて白い。
歳
(
とし
)
は、そうさ、七兵衛よりも
十歳
(
とお
)
も若いか、笠を取って見たら、もっとずっと若いかも知れない。
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
訶和郎を抱き上げようとして身を
蹲
(
かが
)
めた奴隷は、足音を聞いて背後を向くと、反絵の唇からむき出た白い
歯並
(
はなみ
)
が怒気を含んで迫って来た。奴隷は吹かれたように一飛び横へ飛びのいた。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
▼ もっと見る
当世貌
(
とうせいがお
)
は少しく丸く、色は薄模様にして、
面道具
(
めんどうぐ
)
の四つ不足なく揃へて、目は細きを好まず、
眉
(
まゆ
)
厚く鼻の間せわしからずして次第に高く、口小さく、
歯並
(
はなみ
)
あら/\として白く、耳長みあつて縁浅く
明治美人伝
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
もう火のような目、恐ろしい
歯並
(
はなみ
)
をした
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
と
微笑
(
にッこり
)
する。
何時
(
いつ
)
見ても奇麗な
歯並
(
はなみ
)
だ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
おまえのきれいな
歯並
(
はなみ
)
は
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
美しい
歯並
(
はなみ
)
を隠している様な、非常に美しい人であるのに比べて、手を引かれている龍ちゃんの方は、両眼とも綴じつけられた様な盲目だし、その上ひどく
縹緻
(
きりょう
)
が悪いのだ。
悪霊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
紋縮緬
(
もんちりめん
)
かなにかの二つ折りの帯を巻いて前掛のような赤帯を締めて、濃い化粧のままで
紅
(
べに
)
をさした唇、
鉄漿
(
かね
)
をつけた
歯並
(
はなみ
)
の間から洩るる京言葉の優しさ、年の頃はお松より二つも上か知らん
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
お
化
(
ばけ
)
の様な乱れ髪の鬘の下から、狭い額、ギョロリとした両眼、平べったい鼻、厚い唇、むき出した大きな真白い
歯並
(
はなみ
)
、
彼奴
(
きゃつ
)
は「どうだ驚いたか」と云わぬばかりに、ゲラゲラ笑っていたのだ。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
歯
常用漢字
小3
部首:⽌
12画
並
常用漢字
小6
部首:⼀
8画
“歯”で始まる語句
歯
歯痒
歯牙
歯噛
歯齦
歯朶
歯軋
歯咬
歯切
歯磨