かち)” の例文
さすがに怒った寄せ手の勢は、あざむかれるとは夢にも知らず、先陣にあたった五百余人、馬乗り放してかちだちとなり、喚いて門内へ駈け込んだ。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
かれ大后この御歌を聞かして、いたく忿りまして、大浦に人を遣して、追ひ下して、かちよりやらひたまひき。
山科やましな木幡こはたやまうまはあれどかちおもひかね 〔巻十一・二四二五〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
一番にはだか武太之助、この者鮭登典膳与力にてその丈七尺なり、今東国に具足屋なし、上方には通路絶えぬ、武具調うる事なかれば、戦場に出づるに素肌に腰指こしざししてかちにて出陣すれども