武王ぶおう)” の例文
ここは唐土もろこしで、自分はしゅう武王ぶおうの軍師で太公望たいこうぼうという者であると彼は名乗った。そうして、更にこういうことを説明して聞かせた。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
伯夷叔斉はくいしゅくせい太公たいこうも群衆に逆らった心の独立はみすべきであるが、もし二人の兄弟が武王ぶおうに反対して、ひそかに出版物をき散らしたり、あるいはいんに徒党を組んだり
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
また、周の武王ぶおう甲子きのえねをもって興り、いん紂王ちゅうおうは甲子をもって亡ぶといえる話がある。
迷信解 (新字新仮名) / 井上円了(著)
不正の英雄は抜山倒海ばつざんとうかいの勇あるももって尊敬することはできません、武王ぶおう紂王ちゅうおうを討った、それは紂王ちゅうおうが不正だからである、ナポレオンは欧州をりゃくした、それは国民の希望であったからである
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
「うん、わしが昔読んだ書物に、天下を平定したしゅう武王ぶおうの船にも、白魚が躍りこんできたとかいう話があったのを覚えてるよ。とにかくめでたいことだから、こいつをみんなで喰おうじゃないか」
しゅう武王ぶおういん紂王ちゅうおうたんと出征したとき、民みな武王ぶおうの意を迎えたが、伯夷叔斉はくいしゅくせいのみは独立行動にでて、武王ぶおうの馬をたたいていさめた。左右の者ども両人をへいせんとした。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
あるいは公然と演説するにしても事実をげて武王ぶおう太公たいこうの政策やら人身を攻撃こうげきしたならば、彼らは決して義人でもなければ、善人でもなく、後世は彼らを乱臣賊子らんしんぞくしと呼ぶであろう。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)