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桂庵
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けいあん
ふりがな文庫
“
桂庵
(
けいあん
)” の例文
「去年おまえを買ったときには、ちゃんと
桂庵
(
けいあん
)
の手を経ているのだ。おまえに夫のないということは、証文面にも書いてあるではないか」
中国怪奇小説集:11 異聞総録・其他(宋)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
横町には、また、
細々
(
こまごま
)
した路地がたくさんあります。見世物の木戸番、活動写真の技師、仕事師、夜見世の道具屋、袋物の職人、安
桂庵
(
けいあん
)
。
浅草風土記
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
同時に
桂庵
(
けいあん
)
にすすめられ、次女のカエも、まだ九歳でしかなかったが、伊勢佐木町通りの吉野屋というお汁粉屋の小女に出してしまった。
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
下級船員専門の
桂庵
(
けいあん
)
の募集広告だ。が、ちっとも希望者がないとみえて、貼り出してあるのは、求人の部ばかりである。水夫・水夫・石炭夫。
踊る地平線:08 しっぷ・あほうい!
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
掛け取りに来た車屋のばあさんに頼んで、なんでもよいからと
桂庵
(
けいあん
)
から連れて来てもらったのが
美代
(
みよ
)
という女であった。
どんぐり
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
▼ もっと見る
父母の別れ話が、またしても持ちあがり、三人ずつ手分けして、上州と
越後
(
えちご
)
へ引きあげることになったところで、銀子はある日また浅草の
桂庵
(
けいあん
)
を訪れた。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
だから御奉公するにしてもお留守番位なら出来るけれども水仕事は出来ないとよく
桂庵
(
けいあん
)
へ断わっておいたのです。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
私は町を歩きながら、片っぱしに
桂庵
(
けいあん
)
(口入屋)ののれんをくぐったが、保証人がなく保証人を頼む二円の金の持合わせもないのだから軒並みに断られた。
私の履歴書:――放浪の末、段ボールを思いつく
(新字新仮名)
/
井上貞治郎
、
日本経済新聞社
(著)
桂庵
(
けいあん
)
へ歎願しても一人も寄越して呉れないのに十八人もずらりと並んでそれが皆揃いも揃って別嬪だったからね。トラホームや
腋臭
(
わきが
)
らしいのは一人もいない。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
そいつをひとつ、
桂庵
(
けいあん
)
をつとめて
儲
(
もう
)
けようと思うんだが、なんとおっかさん、お前に一肌脱いでもらいてえというのはそこなんだよ、ということにあるらしい。
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
庄「いやな奴だ、来ると
彼奴
(
あいつ
)
あんなことばかり云っている、医者が下手だから
桂庵
(
けいあん
)
をしているのだろう」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
娘からお聴きでもございましょうが、芸者の
桂庵
(
けいあん
)
という仕事は、並み大抵の人には出来ません。
耽溺
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
誰か商売の手助けと身のまわりの世話をかねるものをとのことで、
下谷
(
したや
)
の
桂庵
(
けいあん
)
をとおして雇われてきたのだ。お高は、女にしては珍しく、相当学問もあり、能筆でもあった。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「そいつは氣の毒な——元日早々つまらねえことを訊いて惡かつたな、——ところでお前は
桂庵
(
けいあん
)
の手を通つて來た娘とも思へないが、
此家
(
こゝ
)
と何にか引つかゝりでもあるのか」
銭形平次捕物控:248 屠蘇の杯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
へたな
桂庵
(
けいあん
)
——周旋屋にかかったら、ぽっと出の女などどんな目に会わされるか分らない。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
それから帰りに覗いて見ましたら、女の家は
桂庵
(
けいあん
)
で、
主
(
おも
)
にあの辺の女郎屋や引手茶屋や料理屋の女の奉公人を出したり入れたりしているようです。
半七捕物帳:51 大森の鶏
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
帰りは大抵夜の九時か十時で、時には十二時になっても帰らぬことがあり、外の行動は抱えには想像もつかなかったが、時には玉捜しの
桂庵
(
けいあん
)
廻りであったり
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
司馬道場へ入れる
人工
(
にんく
)
をあつめていると聞きだして、身をやつして
桂庵
(
けいあん
)
の手をとおしてもぐりこんだ源三郎、久しぶりに八ツ
山
(
やま
)
下の本陣、鶴岡市郎右衛門方へ帰ってきますと
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
江戸という所は
桂庵
(
けいあん
)
と云うものがあって、奉公人の世話をするそうだが、それには
受人
(
うけにん
)
がなければいけまいと思い、ふと考え付いたのは、十四年前に別れた実父鹽原角右衞門様は
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それにしても君一人では当分の内不便だろうから
雇婆
(
やといばあ
)
さんでも置かねばなるまい。僕の知った
桂庵
(
けいあん
)
があるからその方へ頼んでおこうと僕が今寄って来た。君の方は別にむずかしい支度はあるまい。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「芸者の
桂庵
(
けいあん
)
」
耽溺
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
「
桂庵
(
けいあん
)
は?」
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
お徳にはお
通
(
つう
)
という妹がございまして、これも今年十七になりましたので、この正月から奉公に出ました。
桂庵
(
けいあん
)
は外神田の相模屋という家でございます。
半七捕物帳:20 向島の寮
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
この町の
桂庵
(
けいあん
)
に引き渡し、東京を希望のものは、また上野まで連れて行くことになっていた。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
お迎いに
行
(
ゆ
)
こうかと、手拭を小桶で絞って居ると、最前から板の間で身体を洗って居た婆さんは、年の頃六十四五で、頭の
中央
(
まんなか
)
が皿のように禿げて居り、本郷町の
桂庵
(
けいあん
)
のお虎と云うもので
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
桂庵
(
けいあん
)
は?」
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
近所の
桂庵
(
けいあん
)
でも忌な噂を知っているので、容易に代りの奉公人をよこさなかった。
半七捕物帳:16 津の国屋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ま「はい
桂庵
(
けいあん
)
のお虎さんの所へ参りました」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“桂庵”の意味
《名詞》
奉公人・雇い人の斡旋業者。
御世辞。追従。また、それを言う人。
(出典:Wiktionary)
桂
漢検準1級
部首:⽊
10画
庵
漢検準1級
部首:⼴
11画
“桂庵”で始まる語句
桂庵婆
桂庵的