本末もとすゑ)” の例文
ことに井沢は四四弓の本末もとすゑをもしりたる人のすゑにて、四五掟ある家と聞けば、今いなむともうけがはじ。
ほんに因果とでもいふものか私が身位かなしい者はあるまいと思ひますとて潜然さめざめとするに、珍らしい事陰気のはなしを聞かせられる、慰めたいにも本末もとすゑをしらぬからはうがつかぬ
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
けれども自分には何うしても切炭の本末もとすゑが分らなかつた。
父の婚礼 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
山かげの懸樋かけひへり紐氷柱ひもつらら本末もとすゑほそうなりにけるかも
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)
只今いとま給はらば、三六六娘子をとめの命もつつがなくおはすべしといふを、庄司さらけず、我三六七弓の本末もとすゑをもしりながら、かく三六八いひがひなからんは、大宅おほやの人々のおぼす心もはづかし。
珍らしい事陰氣のはなしを聞かせられる、慰めたいにも本末もとすゑをしらぬから方がつかぬ、夢に見てくれるほど實があらば奧樣にしてくれろ位いひそうな物だに根つからお聲がかりも無いは何ういふ物だ
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
山かげの懸樋かけひへり紐氷柱ひもつらら本末もとすゑほそうなりにけるかも
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
めづらしいこと陰氣いんきのはなしをかせられる、なぐさめたいにも本末もとすゑをしらぬからはうがつかぬ、ゆめてくれるほどじつがあらば奧樣おくさまにしてくれろぐらいいひそうなものだにつからおこゑがゝりもいはういふもの
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)