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早天
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さうてん
謝しいよ/\明日の
早天に
出立致す故御
暇乞に參り候なりと村中へ暇乞に
廻れり此時寶澤は
漸く十四歳の少年なり頃は
享保三
戌年二月二日成し
幼年より
住馴し土地を
ぞ
催しけるが三日も
暮はや四日と
成にける此日は
早天より
長閑にて四方
晴渡り海上
青疊を敷たる如く
青めき
渡ければ吉兵衞も
船頭も
船表へ出て四方を
詠め
波靜なる有樣を
以て
彌々明十日大坂表御出立明後十一日京都御着の思召なれば
其用意有べしと
認め送れり頃は享保十一丙午年六月十日の
早天に大坂
渡邊橋の旅館を出立す
其行列以前に倍して
行粧善美を