もう)” の例文
……それからもう十一ねん其時そのときになァ單身立ひとりだちをさっしゃりましたぢゃ、いや、ほんこと彼方此方あっちこっち駈𢌞かけまはらッしゃって
仮令ば彼塔倒れた時生きて居やうか生きたからう歟、ゑゝ口惜い、腹の立つ、お浪、それほど我がさもしからうか、嗚呼〻〻生命ももういらぬ、我が身体にも愛想の尽きた
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
生來餘りいけぬ口なので、顏はもうポツポと上氣して、心臟の鼓動が足の裏までも響く。
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
何卒どうぞ心配せんで下ださい、重々御苦労を御掛け申して来た今日こんにちですから——れに私ももう三十を越したんですから、後先あとさき見ずのことなど致しませんよ、父にも母にもることの出来なかつた孝行を
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
これはまた酷い事、屋根半分はもうとうに風に奪られて見るさへ気の毒な親子三人の有様、隅の方にかたまり合ふて天井より落ち来る点滴しづく飛沫しぶき古筵ふるござで僅にけ居る始末に
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
生来しやうらい余りいけぬ口なので、顔はもうポツポと上気して、心臓の鼓動が足の裏までも響く。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ってのとほり、むすめとしなうもうおひ/\適齡としごろぢゃ。
芳の奴がしやべつたなと感付く。怎したものか、もう茶を入れて飮まうと云ふ氣もしない。
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
扨いよ/\了見を定めて上人様の御眼にかゝり所存を申し上げて見れば、好い/\と仰せられた唯の一言に雲霧もや/\もう無くなつて、すゞしい風が大空を吹いて居るやうな心持になつたは
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
私共が、ドヤ/\と鹿島屋の奥座敷に繰込んだ時は、もう七人許り集つて居た。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
私共がドヤ/\と鹿島屋の奧座敷に繰込んだ時は、もう七人許り集つて居た。
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
怎したものか、もう茶を入れて飲まうと云ふ気もしない。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)