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かくひつ
ふりがな文庫
“
擱筆
(
かくひつ
)” の例文
科学と文学という題のもとに考察さるべき項目はなお多数であろうが、まずこのへんで
擱筆
(
かくひつ
)
して余は他の機会に譲ることとする。
科学と文学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
偶々
(
たまたま
)
感じ候故
序
(
ついで
)
に申上候。荒木令嬢の事、
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も
相迎
(
あいむかえ
)
候事と決心仕候。
併
(
しか
)
し随分苦労の種と存候。夜深く相成候故
擱筆
(
かくひつ
)
仕候。草々不宣。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
なお彼の警戒すべき性格については、以上のほかいくらでも話があるように思うが、今日は疲れたから、これで
擱筆
(
かくひつ
)
しよう。
偽悪病患者
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
さて、かかる光景を
喋
(
しゃべ
)
っているうちに予定の紙数は尽きてしまった。芝居の本文は他の連中へ譲って私はこれで
擱筆
(
かくひつ
)
する。
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
A・
C
(
コカイン
)
のスプレーで睡魔を防ぎながらヤットここまで書いて参りましたが、もう夜が
白
(
しら
)
けかかって脳味噌がトロトロになりましたから
擱筆
(
かくひつ
)
します。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
読者諸君、回数にかぎりあり、この物語はこれにて
擱筆
(
かくひつ
)
します。もし諸君が人々の消息を知りたければ六年前に一高の
寮舎
(
りょうしゃ
)
にありし人について聞くがよい。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
人格と技能を兼ね具えた上に、特に美の含有量の多い良寛様の書は、私の知る限り徳川期の第一人者であることを大声疾呼して
擱筆
(
かくひつ
)
したい。(昭和二十七年)
魅力と親しみと美に優れた良寛の書
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
「何かまだ申上度儀御座候やうながら、あまり
長事
(
ながきこと
)
故、まづ是にて
擱筆
(
かくひつ
)
、
奉待後鴻候
(
こうこうをまちたてまつりそろ
)
頓首
(
とんしゆ
)
。」此に二月十九日の日附があり、壽阿と署してある。
宛
(
あて
)
は苾堂先生座右としてある。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
これはいずれ機を得て追々発表することとし、今度はひとまずこれで
擱筆
(
かくひつ
)
。(
衣水
(
いすい
)
)
本州横断 痛快徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
、
井沢衣水
(著)
せめて、この案内者を、彼の家にまで送り届けて
擱筆
(
かくひつ
)
しなければならない。
案内人風景
(新字新仮名)
/
百瀬慎太郎
、
黒部溯郎
(著)
しかしそれは
最早
(
もはや
)
八月八日分の日記ではなくなるから、ここで
擱筆
(
かくひつ
)
する。
今昔ばなし抱合兵団:――金博士シリーズ・4――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
これ以上、貴重な誌面をふさぐ罪をおそれて、
擱筆
(
かくひつ
)
させていただく。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ヨブ記著者が普通の文士ならばここでヨブ記を終局とすべきであった。しかしながら著者は十九章を以て
擱筆
(
かくひつ
)
しなかった。この信仰の絶頂に達しても、なおその後に学ぶべき多くの事があるのである。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
(一九一七、六、一三、鶏鳴を聞きつつ
擱筆
(
かくひつ
)
)
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
この問題に関しては述ぶべき事はこれに尽きないが、与えられた紙幅が既に尽きたから、これで
擱筆
(
かくひつ
)
する外はない。執筆の動機はただ我邦学術の健全なる発達に対する熱望の外には何物もない。
学位について
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
この
外
(
ほか
)
、白銅貨の効用は甚だ多種なるも約束の紙数に達したれば
擱筆
(
かくひつ
)
する。要するに十銭白銅貨は単なる貨幣だとばかり考えている
方
(
かた
)
があったら、それは正に大なる認識不足であると申すべきである。
白銅貨の効用
(新字新仮名)
/
海野十三
、
佐野昌一
(著)
かく雑然と書いていると長くなるので
擱筆
(
かくひつ
)
する。
大切な雰囲気:03 大切な雰囲気
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
として、
擱筆
(
かくひつ
)
させた。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かく雑然と書いていると長くなるので
擱筆
(
かくひつ
)
する。
油絵新技法
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
“擱筆”の意味
《名詞》
擱 筆 (かくひつ)
文書を書き終えること。
(出典:Wiktionary)
擱
漢検1級
部首:⼿
17画
筆
常用漢字
小3
部首:⽵
12画
“擱”で始まる語句
擱
擱坐
擱砂