提燈かんばん)” の例文
新字:提灯
大門際おほもんぎわ喧嘩けんくわかひとるもありけり、よや女子をんな勢力いきほひはぬばかり、春秋はるあきしらぬ五丁町てうまちにぎわひ、おくりの提燈かんばんいま流行はやらねど
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
と、庄左衛門は、すぐ通りかかる提燈かんばんを呼び止め、何処か行く先をささやいて
濞かみ浪人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
直次が引かれし其夜の車も提燈かんばんの紋は澤潟なりしに、今日の車夫も被布はツぴに澤潟の縫紋ありけり、あれとこれとは同一か別物か
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
潜りの工合の惡るくして平常つねさわる處のあれば、を直さんとて明けつしめつするほどに、暗をてらして彼方の大路より飛くる車の、提燈かんばん澤瀉をもだかの紋ありしかば
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
すはとはゞいのちがけのつとめに遊山ゆさんらしくゆるもをかし、むすめ大籬おほまがき下新造したしんぞとやら、七けん何屋なにや客廻きやくまわしとやら、提燈かんばんさげてちよこちよこばしりの修業しゆげう卒業そつげうしてなににかなる
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
すはと言はば命がけの勤めに遊山ゆさんらしく見ゆるもをかし、娘は大籬おほまがき下新造したしんぞとやら、七軒の何屋が客廻しとやら、提燈かんばんさげてちよこちよこ走りの修業、卒業して何にかなる
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
大門際おほもんぎわ喧嘩けんくわかひと出るもありけり、見よや女子おんな勢力いきほひと言はぬばかり、春秋はるあきしらぬ五丁町のにぎはひ、送りの提燈かんばんいま流行はやらねど、茶屋が廻女まわし雪駄せつたのおとに響き通へる歌舞音曲おんぎよく
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
見よや女子をんな勢力いきほひと言はぬばかり、春秋しらぬ五丁町の賑ひ、送りの提燈かんばんいま流行らねど、茶屋が廻女まはしの雪駄のおとに響き通へる歌舞音曲、うかれうかれて入込む人の何を目當と言問はゞ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
娘は大籬おほまがき下新造したしんぞとやら、七軒の何屋が客廻しとやら、提燈かんばんさげてちよこちよこ走りの修業、卒業して何にかなる、とかくは檜舞臺と見たつるもをかしからずや、垢ぬけのせし三十あまりの年増
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)