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掻消
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かきき
ふりがな文庫
“
掻消
(
かきき
)” の例文
夜陰のこんな場所で、もしや、と思う時、
掻消
(
かきき
)
えるように音が
留
(
や
)
んで、ひたひたと小石を
潜
(
くぐ
)
って響く水は、忍ぶ
跫音
(
あしおと
)
のように聞える。
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何
(
なに
)
かミハイル、アウエリヤヌヰチが
云
(
い
)
ふたので
有
(
あ
)
るが、
直
(
すぐ
)
に
皆
(
みな
)
掻消
(
かきき
)
えて
了
(
しま
)
つた。
恁
(
か
)
くてアンドレイ、エヒミチは
永刧
(
えいごふ
)
覺
(
さ
)
めぬ
眠
(
ねむり
)
には
就
(
つ
)
いた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
猿のさけびが
掻消
(
かきき
)
えると、ぐわっ——と谷底の鳴るのが逆しまに、顔をふきあげてくる。そそり立っている
岩峭
(
がんしょう
)
に
打
(
ぶ
)
つかってくる冷たい風と、
渓川
(
たにがわ
)
のうなりである。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
夜陰
(
やいん
)
のこんな場所で、もしや、と思ふ時、
掻消
(
かきき
)
えるやうに音が
留
(
や
)
んで、ひた/\と小石を
潜
(
くぐ
)
つて響く水は、忍ぶ
跫音
(
あしおと
)
のやうに聞える。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
何
(
なに
)
かミハイル、アウエリヤヌイチが
云
(
い
)
うたのであるが、
直
(
すぐ
)
に
皆
(
みな
)
掻消
(
かきき
)
えてしまった。かくてアンドレイ、エヒミチは
永刧
(
えいごう
)
覚
(
さ
)
めぬ
眠
(
ねむり
)
には
就
(
つ
)
いた。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
ぞろぞろ立って大きな
伽藍
(
がらん
)
の
睡窟
(
すいくつ
)
へ思い思いに
掻消
(
かきき
)
えると、後は三、四人の堂衆だけが残って、喰い散らした
麦煎餅
(
むぎせんべい
)
の欠けらを掃いたり、
短檠
(
たんけい
)
を片づけたりしていた。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
云うかと思えば、
掻消
(
かきき
)
えるように、静山の姿はもう見えない。
剣の四君子:04 高橋泥舟
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
掻
漢検準1級
部首:⼿
11画
消
常用漢字
小3
部首:⽔
10画
“掻”で始まる語句
掻
掻巻
掻込
掻合
掻廻
掻口説
掻取
掻分
掻乱
掻上