“指(および)” の例文
かの日の夕(ゆうべ)、山の端に見た俤(おもかげ)びと——。乳のあたりと、膝元とにある手——その指(および)、白玉の指。姫は、起き直った。天井の光りの輪が、元のままに、ただ仄(ほの)かに、事もなく揺れて居た。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
何聴かむこの日のうちぞ指(および)触(ふ)りあてゆく針の鋭(と)くも短かき
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
十(じふ)の指(および)は椅子の下、ぱたりぱたりと弾(たた)きますれば
賢(さか)しき指(および)もて、われ縒りぬ。
春蘭のかをる葉叢(はむら)に指(および)入れ象(かたち)ある花にひた触れむとす
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
乳のあたりと膝元とにある手——その指(および)、白玉の指(および)。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
十(じふ)の指(および)は腰骨の上、ピクリピクリと痙攣いたし
指(および)触り冬は頼めし明笛の竹紙(ちくし)のつよき張りぞひびらぐ
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
調べ佳き合唱を、指(および)もて指揮するを喜んだ