抵抗てむかい)” の例文
兵隊たちが穀物や牛馬などを取りにかかると、要るだけ取らせて、ちっとも抵抗てむかいしませんでした。次の村へ行くと、やはり同じことが起りました。
イワンの馬鹿 (新字新仮名) / レオ・トルストイ(著)
あんまりです! 沢庵さん! いくら何でも、先刻さっきから聞いていれば、抵抗てむかいのできない者へひどすぎます。……あ、あなたは僧侶じゃありませんか。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
薄 それでは、貴方の御容色ごきりょうと、そのお力で、無理にもお引留めがうございますのに。何の、抵抗てむかいをしました処で。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ウヌ、畜生! まだ抵抗てむかいしやがるか!」
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
ただ働いて食べ、また人をも食べさせてやって、面白く暮していて、抵抗てむかいどころか、かえって兵隊たちにこの村に来て一しょに暮せという者ばかりでした。
イワンの馬鹿 (新字新仮名) / レオ・トルストイ(著)
大亀は、抵抗てむかいしたひとりを斬り伏せ、ひとりをここに縛りつけて、家探しにかかっている様子なのだ。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
図書 (きっとして袖を払う)強いて、たって、お帰しなくば、お抵抗てむかいをいたします。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
人民たちは何でもかでも兵隊たちの欲しいものはみんな持たせてやって、ちっとも抵抗てむかいしないばかりか、攻めに来た兵隊たちを引きとめて、一しょに暮そうとするのでした。
イワンの馬鹿 (新字新仮名) / レオ・トルストイ(著)
彼子あれが、このたび、大庭景親に徒党して、殿へ、抵抗てむかいいたしたのは、まったく、一時の魔がさしたのでござりまする。……ほん気な仕様しわざとは、彼子あれを生んだこの母にも信じられませぬ。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それとも人が来たのがうるさくツて、しゃくさわつたら、さあ、手取り早くうにかするんだ、きばにかけるなり、炎をくなり、うすりやかなはないまでも抵抗てむかいしよう、善にも悪にもうして居ちや
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
山手やまてから黒煙くろけぶりを揚げて、羽蟻はありのやうに渦巻いて来た、黒人くろんぼやり石突いしづきで、浜に倒れて、呻吟うめき悩む一人々々が、胴、腹、腰、背、コツ/\とつつかれて、生死いきしにためされながら、抵抗てむかいも成らずはだかにされて
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
夫人 生命いのちほしい。抵抗てむかいをすると云うもの。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)