所置しょち)” の例文
アンドレイ、エヒミチは院長いんちょうとしてそのしょくいたのちかかる乱脈らんみゃくたいして、はたしてこれを如何様いかよう所置しょちしたろう、敏捷てきぱき院内いんない秩序ちつじょ改革かいかくしたろうか。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
新聞紙はただ学士会院の所置しょちを信じている。学士会院はもとよりおのれを信じているのだろう。余といえども木村項の名誉ある発見たるを疑うものではない。
学者と名誉 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
勇「占いでは幽霊の所置しょちは出来ないが、あの新幡随院の和尚は中々にえらい人で、念仏修業の行者で私も懇意だから手紙をつけるゆえ、和尚の所へ行って頼んで御覧」
鉄砲を打放し候は、外国へ対し信義を失い候御所置しょちに付き、自今いまより以後は異国人渡来候とも、食物薪水等を乞い候類は打払わず、乞う旨に任せ帰帆致さすべく取計うの間
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
「イヤ、僕こそ。あの時あなたがピストルを撃って下さらなかったら、命がない所でした。それにしても、あなたの思い切った所置しょちには敬服しました。一寸出来ない芸当ですよ」
恐怖王 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
つねに心の向き次第、その時その時の出任せにて所置しょちするもの多きが如し。
家庭習慣の教えを論ず (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
そうはいったが、彼もそのほかの所置しょちはおもいつかなかった。
今の私ならそのくらいの事は何とも思いませんが、その頃はまだ子供でしたから、東京へは出たし、うちはそのままにして置かなければならず、はなはだ所置しょちに苦しんだのです。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その主とする処の意は難風に逢いあるいは食物薪水に乏しくして、貴国の海浜に漂着する船の所置しょちのみにして、もし信義を表し、あるいは他のいわれありて貴国の海浜を訪う船あらん時の所置は見えず。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)