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態〻
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わざわざ
ふりがな文庫
“
態〻
(
わざわざ
)” の例文
或日、団さんが
態〻
(
わざわざ
)
僕の席へ来て、晩餐招待の口上を述べた。大谷君も清水君も手近にいたけれど、僕一人が案内を受けたのだった。
冠婚葬祭博士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
このことは興信所の報告にもぼんやり
匂
(
にお
)
わしてあったけれども、
腑
(
ふ
)
に落ちかねる点があったので、此方から
態〻
(
わざわざ
)
人を
遣
(
や
)
って間違いのないところを調べ上げたのである。
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
地図は持っているが、
田鶴子
(
たずこ
)
さんにしても僕にしてもそれを
人中
(
ひとなか
)
で拡げて見て
態〻
(
わざわざ
)
お上りさんの広告をする気になれないから不便だ。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
あれは
直
(
す
)
ぐ私から瀬越さんの方へお届け申しましたが、ああ云う明細な報告書と、
殊
(
こと
)
にレントゲン写真までああして
態〻
(
わざわざ
)
お撮り下さいましたので、大変恐縮しておられまして
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
と
揶揄
(
やゆ
)
一番した。ナカ/\
性
(
たち
)
が悪い。
態〻
(
わざわざ
)
二流会社を志望する僕達は決して優秀でないから、
擽
(
くすぐ
)
ったいような心持で顔を見合せた。
恩師
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
▼ もっと見る
いつも写す所では必ず写して行くのであったが、
此処
(
ここ
)
でも彼女たちの一行は、毎年いろいろな見知らぬ人に姿を撮られるのが例で、ていねいな人は
態〻
(
わざわざ
)
その
旨
(
むね
)
を申し入れて許可を求め
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「冗談は措いて、僕達は佐賀のことを調べに
態〻
(
わざわざ
)
東京からやって来たんだからね、お給仕をしながら一つゆっくりと話してお呉れ」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「母校の
復興資金
(
ふっこうしきん
)
のことで
態〻
(
わざわざ
)
お
出
(
いで
)
になったのですから、私、今度こそは少し纒めて寄附しなければならないと思っていますの」
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「世間はあなたを
金万
(
かねまん
)
の若旦那として相応
悧巧
(
りこう
)
な方と思っていて下さるんですから、今更
態〻
(
わざわざ
)
自首をなさるにも及びますまい」
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
と芳子さんは
態〻
(
わざわざ
)
注進して引っ張って来たのらしかった。新太郎君は不意を打たれてお見舞いどころでなく、唯お辞儀をするばかりだった。
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
祇園の
洲
(
す
)
には官軍戦没者の墓地がある。それを
態〻
(
わざわざ
)
弔いに行ったのではなかったが、結果は要するにそんなことに帰着した。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「これはしたり。娘は誰に憎まれているのだろう? 憎むものゝないように
態〻
(
わざわざ
)
姑のないところを選んだのだが、不思議なこともあればあるものだ」
女婿
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
と
態〻
(
わざわざ
)
どやされて家へ向った。浜口君は武骨もので、私が清子さんのことを言い出すと、腕力に訴える外に能がない。
恩師
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
態〻
(
わざわざ
)
彼処まで見に行くようなら、もう疑問の余地はない。しかし再び待ち呆けを食わされるようなら、万事休す。
村の成功者
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
成績発表直後、
態〻
(
わざわざ
)
僕のところへ談判に来たのだった。僕としても東金君と言い合って物別れになったのはこれが初めてだったから、何となく気が咎めた。
村一番早慶戦
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
長船君が自分を貰いたがっている程度も
悉皆
(
すっかり
)
分った。それで自然に委せて置けば都合通りに事が運ぶと思っているから、
態〻
(
わざわざ
)
口に出して言う必要を認めない。
嫁取婿取
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
近所を通ったから序だと言ったが、
態〻
(
わざわざ
)
に
定
(
きま
)
っている。妻を初め四人の子供を順々に褒めるんだ。一番末のは生れたばかりだぜ。余っ程馬鹿な奴だと思ったよ
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「困ったものね。私、ひょっとして、あなたが申上げるといけないと思って
態〻
(
わざわざ
)
上って参りましたのよ」
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
態〻
(
わざわざ
)
送って来た人が
唯々諾々
(
いいだくだく
)
として送られて行く。高輪から品川までは大分話しでがある。しかし二人は未だ飽き足らない。駅前に辿りついた時、俊一君は腕時計に見入って
嫁取婿取
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「それは統計上避け難い害悪だ。
態〻
(
わざわざ
)
雪の山へ登って行方不明になるのとは違う」
妻の秘密筥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
と玉突台のところへ
態〻
(
わざわざ
)
注進に来たものがあった。部屋の一隅では津島さんが
小問題大問題
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
そこへ僕が
態〻
(
わざわざ
)
首を切りに乗り込んだ。
奴
(
やっこ
)
さん驚かない筈さ。自殺の決心をしたものを殺しに行った形になる。余り有効な仇討ちでもなかったけれど、相手を困らせるのが目的じゃない。
首切り問答
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
と松浦さんは
態〻
(
わざわざ
)
の訪問と思い込んだ。寛一君は揉み手をしながら進み出て
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「貰うなら兎に角、くれるのに
態〻
(
わざわざ
)
行く法はないって。私が惜しいのよ」
嫁取婿取
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「水力電気の技師連中だよ。東京から大滝を見に
態〻
(
わざわざ
)
やって来たのさ」
村の成功者
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
と卓造君は
態〻
(
わざわざ
)
の解釈を異にしていたものゝ、再び水力電気に
望
(
のぞみ
)
を
嘱
(
しょく
)
し始めた。百間橋から半里ばかり上流に大滝というところがある。川の水全体が数間の傾斜面を落下する。ナカ/\の壮観だ。
村の成功者
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
しかし二三日たってから、夜分晩く僕のアパートへ訪ねて来て実情を打ち明けた。友情を誓って油断をさせる為めか、時々如何にも
蟠
(
わだかま
)
りないように話し込む。しかし
態〻
(
わざわざ
)
やって来たのは初めてだった。
村一番早慶戦
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「はあ。
態〻
(
わざわざ
)
御報告にいらっしゃいましたの」
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
とお母さんが
態〻
(
わざわざ
)
訊きに来てくれた。
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「夫婦者は戦争ということが能く分っている。毎日家庭で体験して如何に悲惨なものか知り抜いているから、
態〻
(
わざわざ
)
ヨーロッパまで出掛ける気になれない。然るに独身者は平和に倦きている。一つやって見ようという気にもなるのさ」
髪の毛
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「やあ。これは
態〻
(
わざわざ
)
何うも」
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「
態〻
(
わざわざ
)
有難う」
負けない男
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
態
常用漢字
小5
部首:⼼
14画
〻
“態”で始まる語句
態
態々
態度
態勢
態姿
態態
態様
態色
態裁
態面