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慄
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ぞ
ふりがな文庫
“
慄
(
ぞ
)” の例文
「
慄
(
ぞ
)
っとするね。十時間もたった屍体から、血が流れるなんて……。だが法水君、結局犯人の意志が、あれに示されているのではないだろうかね」
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
足を近しくまいりますが音羽は誠に
厭
(
い
)
やで、何うも虫が好きません、
傍
(
そば
)
へ来られても
慄
(
ぞ
)
っと致しまするから振ります。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と同時に、私は、
慄
(
ぞ
)
っとして一目散に、その温室を飛出してしまったのだ。
脳波操縦士
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
滝人は、
慄
(
ぞ
)
っと
擽
(
くすぐ
)
られるような幸福感に襲われたが、またあの病苦がしんしんと戻ってきて、一つ残された義務を果さねばならないのに気がついた。
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
新吉は
他人
(
ひと
)
が来ると火鉢の側に
食客
(
いそうろう
)
の様な風をして居るが、人が帰って仕舞えば
亭主振
(
ていしぶ
)
って居りますが、甚藏と聞くと
慄
(
ぞ
)
っとする程で、心の
中
(
うち
)
で驚きましたが
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
それが
扇形
(
おうぎがた
)
に拡がったり、泡が
打衝
(
ぶつか
)
って、白い皮膚のようにスウッと滑らかになると、縞に曲線に、乱れ入り組んで、
慄
(
ぞ
)
っとするような交錯が起り、また砕け散って
地虫
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
見て居るうちに急に腫れ上りましてねえ、ヘエ、貴方死んだ師匠の通りの顔になりまして、膝に手を付きまして
私
(
わたくし
)
の顔をじいッと見詰めて居ました時は私は
慄
(
ぞ
)
っと致しましたので
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
咆
(
ほ
)
えもせず、じっと瞳を
据
(
す
)
えて人間を見わたしている、
狡智
(
こうち
)
、残忍というか
慄
(
ぞ
)
っとなるような光。
人外魔境:08 遊魂境
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
俺は、そんな訳で
業腹
(
ごうはら
)
あげくに、ようし、じゃ俺が一人で行って先占をしてやると、実にいま考えると
慄
(
ぞ
)
っとするような話だが、腹立ちまぎれにポンと飛び出したのだ。
人外魔境:05 水棲人
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
それは、
慄
(
ぞ
)
っとするのと飛び退くのと、同時だった。しかしジェソップ氏は、からだをかがめ顔を地にすれすれにして、とおく残光が、黄麻畑の果にただようあたりに
透
(
すか
)
した。
一週一夜物語
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
むしろ
慄
(
ぞ
)
っとするような美しさで、ちりちり尾を捲く
暗緋
(
あんひ
)
の糸のようなものが、下へゆくほど太まり溶け拡がっていて、ちょうどそれは、触手を上向けた
紅水母
(
べにくらげ
)
のようであった。
地虫
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
よく、こんな計画でゆく気になったもんだと、再吟味の結果、
慄
(
ぞ
)
っとなったほどだよ
人外魔境:10 地軸二万哩
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
折竹も、このごろでは
慄
(
ぞ
)
っとなっている。
人外魔境:08 遊魂境
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
慄
常用漢字
中学
部首:⼼
13画
“慄”を含む語句
戦慄
慄然
戰慄
震慄
身慄
慄毛
慄々
慄気
慄立
胴慄
大戦慄
顫慄
慄悍
慄動
恐怖戦慄
骨慄
凄慄
寒慄
小慄
心慄
...