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惘然
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ぼんやり
ふりがな文庫
“
惘然
(
ぼんやり
)” の例文
母が答へる
暇
(
いとま
)
のない中に父は足早に家の方へ行つてしまひ私は
朝貌
(
あさがほ
)
の
蔓
(
つる
)
を手に持つたなりで
惘然
(
ぼんやり
)
とあとを見送つて居り升た。
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
仁右衛門は
惘然
(
ぼんやり
)
したまま、
不思議相
(
ふしぎそう
)
な顔をして押寄せた人波を見守って立ってる
外
(
ほか
)
はなかった。
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
何ともないものが、
惘然
(
ぼんやり
)
考へたり、
太息
(
ためいき
)
を
吐
(
つ
)
いたりして
鬱
(
ふさ
)
いでゐるものか。僕は
先之
(
さつき
)
から
唐紙
(
からかみ
)
の外で立つて見てゐたんだよ。病気かい、心配でもあるのかい。言つて
聞
(
きか
)
したつて可いぢやないか
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
貧窮
(
ひんきう
)
な
生活
(
せいくわつ
)
の
間
(
あひだ
)
から
數年來
(
すうねんらい
)
漸
(
やうや
)
く
蓄
(
たくは
)
へた
衣類
(
いるゐ
)
の
數點
(
すうてん
)
が
既
(
すで
)
に
其
(
そ
)
の一
片
(
ぺん
)
をも
止
(
とゞ
)
めないことを
知
(
し
)
つてさうして
心
(
こゝろ
)
に
悲
(
かな
)
しんだ。
汗
(
あせ
)
がびつしりと
髮
(
かみ
)
の
生際
(
はえぎは
)
を
浸
(
ひた
)
して
疲憊
(
ひはい
)
した
身體
(
からだ
)
をおつぎは
少時
(
しばし
)
惘然
(
ぼんやり
)
と
庭
(
には
)
に
立
(
た
)
てた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
途方に暮れて
惘然
(
ぼんやり
)
して居れば尚増える借金だ。
夏蚕時
(新字旧仮名)
/
金田千鶴
(著)
“惘然”の意味
《名詞》
呆気にとられ唖然とするさま。
(出典:Wiktionary)
惘
漢検1級
部首:⼼
11画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“惘然”で始まる語句
惘然自失