情熱じょうねつ)” の例文
かれは、勇気ゆうき情熱じょうねつもなければ、なまなかの良心りょうしんは、ただみずからを不愉快ふゆかいにするばかりで、ようのないものだとさとりました。
考えこじき (新字新仮名) / 小川未明(著)
すでに三十のではあったが、十四五のころからはやくも本多小町ほんだこまちうたわれたおれんは、まだようやくく二十四五にしかえず、いずれかといえば妖艶ようえんなかたちの、情熱じょうねつえたえて
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
ことに、かれらはすべて、おさない時から子守歌こもりうたにも信玄しんげん威徳いとくをうたったをもっている甲斐かいの少女だ。国はほろびても、その景慕けいぼや愛国の情熱じょうねつは、ちいさなむねえている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たたきこんでこようかと、ためらいましたが、時間じかんがたつにつれ、一えた情熱じょうねつもしぜんとうすらいでしまったのです。
考えこじき (新字新仮名) / 小川未明(著)
民部のかんがえかたは、どういう絶望ぜつぼうへきつかっても、けっしてくるうことがなかった。情熱じょうねつの一方に走りがちな蔦之助つたのすけ小文治こぶんじは、それに、反省はんせいされはげまされて、ふたたび馬のにとび乗った。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)