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忌々敷
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いま/\し
彼の
淺猿しい
心が
僅な
米や
麥を
※なるものゝおつたに
騙して
取られたかと
思ひ
出しては
暫くの
間忌々敷さに
堪へなかつた。
然しながら
彼はつく/″\と
忌々敷い
其心持に
熟して
居ながら
自分も
亦他の
虚に
乘ずることを
敢てするのであつた。
入れてぎつと
前へ
引き
緊める
微かな
運動の
間にも
彼は
勘次に
對して
口にも
擧動にも
出せぬ
忌々敷さが
心の
底に
勃々と
首を
擡げ
始めることもあるのであつたが