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おなじみ
ふりがな文庫
“
御馴染
(
おなじみ
)” の例文
「僕はボヘミヤンだ。君のようなエピキュリアンじゃない。到る処の
珈琲店
(
カッフェ
)
、
酒場
(
バア
)
、ないしは
下
(
くだ
)
って
縄暖簾
(
なわのれん
)
の
類
(
たぐい
)
まで、ことごとく僕の
御馴染
(
おなじみ
)
なんだ。」
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「イエ是非といって御無理を願う訳ではありませんが、御都合がよければ——実は
御馴染
(
おなじみ
)
にもなっておりますし家内や妹も大変それを希望致しますから」
倫敦消息
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
御馴染
(
おなじみ
)
の八五郎、神妙に格子を開けて、見透しの六疊に所在なさの煙草にしてゐる錢形平次に聲を掛けました。
銭形平次捕物控:210 飛ぶ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
前に見えるのは悪沢と赤石で、右に近いのは
御馴染
(
おなじみ
)
の白河内らしい。他は近所にある小山に
遮
(
さえぎら
)
れて、残念ながら目に入らない。二時間ほどにして山を下った。
白峰の麓
(新字新仮名)
/
大下藤次郎
(著)
一度も
談話
(
はなし
)
した事もなく、ただ
一寸
(
ちょいと
)
挨拶をするくらいに止まっていた、がその三人の子供が、
如何
(
いか
)
にも
可愛
(
かあゆ
)
いので、元来が
児好
(
こず
)
きの私の事だから、
早速
(
さっそく
)
御馴染
(
おなじみ
)
に
成
(
な
)
って
闥の響
(新字新仮名)
/
北村四海
(著)
▼ もっと見る
それでもう
御馴染
(
おなじみ
)
になったタクシー君に、どこでもよいから何とかしてくれと頼んだ。そしたら名前だけは、メルローズ・ホテルという立派な名前の家へ連れて行ってくれた。
アラスカ通信
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
聞いてみると、御名前が榊さんだ。小泉の叔父の話に、よく榊さんということを聞くが……もしや……と思って、私が自分で買いに行ってみました。果して叔父さんの
御馴染
(
おなじみ
)
の方だ。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
さてはや半札の円公は、御神燈の下から、まず
御馴染
(
おなじみ
)
の
顔色
(
がんしょく
)
を御覧に入れますると
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
従ってこの下宿の帳場に坐っていつもいつも同じように長い
煙管
(
きせる
)
をふすべている主婦ともガラス障子越しの
御馴染
(
おなじみ
)
になって、友の居ると居ないにかかわらず自由に階段を上るのを許されていた。
雪ちゃん
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
米斎君としてはこれが最後だったわけで、
先達
(
せんだって
)
も奥さんが御見えになった時、丁度私のものが最後になって、かなり久しい
御馴染
(
おなじみ
)
でしたが、やはり御縁があったんでしょうと申上げたような次第です。
久保田米斎君の思い出
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
明智の顔は新聞で
御馴染
(
おなじみ
)
になっているので、間違いはない。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
これが
画端書
(
えはがき
)
でも
御馴染
(
おなじみ
)
の、名高い城内の
城隍廟
(
じょうこうびょう
)
である。廟の中には参詣人が、入れ
交
(
かわ
)
り立ち交り叩頭に来る。勿論線香を献じたり、紙銭を焚いたりするものも、想像以上に大勢ある。
上海游記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「あなたの
御馴染
(
おなじみ
)
の子供は三人とも亡くなってしまいました。
一頃
(
ひところ
)
は輝も居て手伝ってくれましたが、あの人もお嫁に行きましてね、今では節ちゃんが子供の世話をしていてくれます」
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「だって、古い
御馴染
(
おなじみ
)
じゃありませんか」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
三吉は姉の側に坐って、「姉さん、
御馴染
(
おなじみ
)
の子供は一人も居なくなりました」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「但し
御馴染
(
おなじみ
)
だって、借のある所にゃ近づかないがね。」
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「ええ、君の
御馴染
(
おなじみ
)
の国へ行ってまいりますよ」
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「君こそ妙な所が
御馴染
(
おなじみ
)
じゃないか。」
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「お前とも永い
御馴染
(
おなじみ
)
だな。が、今日が御別れだぞ。明日はお前にも大厄日だ。おれも明日は死ぬかも知れない。よし又死なずにすんだ所が、この先二度とお前と一しよに
掃溜
(
はきだ
)
めあさりはしないつもりだ。さうすればお前は大喜びだらう。」
お富の貞操
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
馴
漢検準1級
部首:⾺
13画
染
常用漢字
小6
部首:⽊
9画
“御馴染”で始まる語句
御馴染甲斐