御別おわか)” の例文
先生の臨終の席に御別おわかれして、激しい心の動揺にされながらも、私はやむをえぬ事情のために、その晩の夜行で帰家の途に就いた。
指導者としての寺田先生 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
ひさぶりでおにかゝつてなにまをしたいこと澤山たんとあるやうなれどくちませぬはさつしてくだされ、ではわたし御別おわかれにいたします、隨分ずいぶんからだをいとふてわづらはぬやう
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あさけるとやがて御足おあしおとがきこえはせぬかとぞんじまするものを、おくにへおかへりになつては容易ようい御出京ごしゆつけうもあそばすまじければ、またどれほどの御別おわかれにりまするやら
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)