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徐
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やお
徐ら、雪のような
白足袋で、脱ぎ棄てた
雪駄を
引寄せた時、
友染は一層はらはらと、模様の花が
俤に立って、ぱッと
留南奇の
薫がする。
僕は父の
脇の
火鉢の
傍に座って、
暫く黙って居ましたが、
此時降りかけて居た空が
愈々時雨て来たと見え、
廂を打つ
霰の音がパラ/\聞えました。父は筆を
擱いて
徐ら
此方に向き
書房は
透さずこの船人の
脇艪を押す事を許されたりとて、
自己をして水先見よと乞うて止まねば、久しく採らぬ
水茎の
禿たる
掉を
徐ら採り、ソラ当りますとの
一言を
新版発兌の船唄に換えて序とす。